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2017年08月03週
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 昨年12月、沖縄県名護市で米軍普天間基地に所属するオスプレイが墜落する事故がありました。同じ普天間基地に所属するオスプレイがオーストラリア沖で墜落しました。沖縄の事故の時、事故原因が明らかにならない中、一週間でオスプレイの訓練飛行は再来され、今回の墜落事故です。
 で、日本政府、沖縄県がこうして事故が相次ぐオスプレイの飛行訓練の自粛を求めていましたが、2日後に沖縄で飛行訓練が再開されてしまいました。米国、国防総省の見解は以下のようになっています。「『現時点でオスプレイの飛行が制限されている区域はない』(日本国内どこであっても)と述べ、日本政府が求めている飛行自粛に応じる予定がないことを明らかにした」(8月8日、朝日新聞)。沖縄だけでなく、例えば、オスプレイが日本の上空を飛行するのは、言われている「制限されている区域はない」、要するに無制限であるのは、日本と米国の約束だからです。その約束・条約が日米安保条約・日米地位協定です。この条約、協定によれば、たとえばオスプレイのような危ない飛行機が事故を起こしても、その原因が明らかになるまで飛行の自粛を求めても、米国側がそれに応じなければならないとは書かれていません。米軍機が日本の上空を飛行する場合で、そのすべてが米国、米軍の判断に委ねられているのです。
 「条約締結国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的に自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展する」(日米安保条約、第三条)。日本の場合、「…武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を…維持し発展させる」にしても「憲法上の規定」が許さないことになっています。同じ条約の締結国である米国の憲法は「武力攻撃に抵抗する…能力」をより発展させることはあっても、制限することはあり得ません。同じではないものが同じ条件を締結しているのですから、結果として「制限されている区域はない」ことになって、オスプレイは危ない事故の後であっても、お構いなく日本上空、中でも沖縄の人たちの空を飛び回るのです。日本は、それを了解し、かつ約束しているのが日米安保条約であり、地位協定です。
 その安保条約は、日本に持ち込まれる米軍の核兵器の場合も、そのまま当てはまります。米国、米軍の軍事力の基本に据えられている核兵器は、いつでもどこからでも、使用可能です。近頃の米国大統領が、「世界が見たこともない炎と怒りを受ける」と公言します。それは、米国の最強、最新の兵器の核兵器を意味します。世界中の海のどこかに潜って走り回っている米原子力潜水艦はいつでもどこからでも、どこに対しても核攻撃ができます。同じ役割を担う中・長距離弾道ロケット、爆撃機を米国はいつでもどこからでも、どこに対しても核攻撃を行うことができます。日米安保条約の第三条によれば、その核攻撃を日本の基地の米軍が踏み切ることがあるとしても、それは米国にしてみれば、「制限される区域はない」という理解が前提です。その米国と同盟を結んでいるのですから、日本という国の防衛の基本は外から見れば核兵器なのです。核兵器を保有しないと言いながら、米国の核兵器によって守られている、あるいは誇示している国なのです。『日本の基地を自由につかう権利』(基地権)については、核兵器の地上への配備をのぞいて、結果としてほとんどの要求に応じ、密約を結んできた」のが日本と米国の関係です。(「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」矢部宏治、集英社)。
 7月に、世界で多くの国と人が交渉の努力を重ねて国連で採択した核兵器禁止条約に、広島、長崎に原爆が投下された日本は賛成しませんでした。8月9日、長崎に原爆が投下された日に、そのことで被爆者から直接首相に問いかけられましたが、首相はそのことに直接答えることはありませんでした。「9日午後、長崎市で被曝者代表の要望を首相らが、聴く会合があった。冒頭、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(97)は、要望書を渡す前に強い口調で言った。米国の『核兵器の傘』に依存し、条約に冷淡な首相には面と向かって正したかった。数日前に思い立ち、9日朝に考えをメモにして会合に持参。『今こそ我が国が、あなたが、世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです』『あなたはどこの国の総理ですか。私たちを、あなたは見捨てるのですか』とも呼びかけた」(8月10日、朝日新聞)。
 「あなたはどこの国の総理ですか」と問われても、総理、首相は答えませんでした。答えられなかったからです。日米安保・日米同盟を第一義とする国の首相は、国防の基本は間違いなく核兵器だと理解しています。広島で20万人以上、長崎で7万人以上が、核兵器で死んだ国であれば、世界のどこの国よりも、率先して、「核兵器禁止」「核兵器廃絶」を求めるのは当然です。しかし、日本は、7月に国連で採択された核兵器禁止条約に反対しました。
 反対の理由らしきものが8月9日の長崎の式典の“挨拶”に示されています。「この地で起きた惨禍が二度と繰り返されてはならない。唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを着実に前に進める努力を、絶え間なく積み重ねていくこと。それが、今を生きる私たちの責務です」「夏に『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器国と非核兵器国、双方の参画が必要です。我が国は、非核三原則を堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて、国際社会を主導していく決心です」(8月10日、朝日新聞)。「唯一の戦争(核の間違い!)被爆国」で、その「惨禍」を知っているのなら、例えば、核兵器禁止条約のような国際間の取り決め、約束にどうであれ反対する理由はないはずです。それは、国連加盟国約60%の122ヵ国が賛成、採択された条件です。米国に始まってロシア(ソ連)、イギリス、フランス、中国、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮と、核保有国は増え続けています。元はと言えば、その究極の兵器によって、国の存在力を誇示することは、単なる誇示に終わらず、兵器である限り、常に使われてしまう危険をはらんでいます。使われてしまった時の惨禍の凄惨な廃墟が広島と長崎です。
 どうであれ、そんな兵器を中でも被爆国である日本は国の存在に基本にすべきではないのです。不信と力の誇示で国際社会が動かされることがあってはならないと考える人たちと国がこぎつけたのが、核兵器禁止条約です。日本と首相はそれに反対しました。「夏に『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要」「双方に働きかけを行うことを通じて国際社会を主導」するからだそうです。だったら、その核兵器国で、核兵器を振りかざして、「世界が見たことのない炎と怒りを受ける」と公言して、はばからない大統領と国に対して「そういうのんで、筋が通らないし、間違っていますよ」ぐらいの一言は、言わないとまずいように思えます。なぜって、核兵器を持っている国が「『世界が見たことのない炎と怒りを受ける』など言ってしまったら、持たない国に『持つな!』とは言えなくなってしまうじゃないですか!困りますよ」とならざるを得ないからです。
 どうであれ、「今こそ我が国が、あなたが世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです」の呼びかける、その問いに答えなかったのは、核兵器について全くそうは考えていないからです。力で、力ずくで動いてしまう世界の、力、力ずくの側に自分たちが立つことに安住している結果、例えば、力、力ずくで「世界が見たことのない炎と怒り」と言ってはばからない大統領とその国の核兵器を基本にした軍事同盟を、決して手柄にしたりもしないのです。
 いずれにせよ、公の席で一人の市民から「…あなたは、どこの国の総理か」と問われ、総理、首相は答えませんでした。いつだったか、長い長い施政方針演説で、世界の真ん中の国であるとこの国を誇ってみせました。誇るに足る国の総理、首相であることを自負しているなら、市民から「…あなたは、どこの国の総理か」と問われた時、誇るに足る国と、誇るに足る自らについて語らねばならなかったはずです。
 昨年12月の名護市、今年になってオーストラリアと、普天間基地のオスプレイの事故が相次いだことで、飛行訓練の自粛を求めていた日本は、「米側の説明を受けた」ことを理由に、訓練の再開を容認します。
 「説明」が、今後事故を起こさないよう訓練をしますで終わり、かつ了解するのは、米軍機・米軍は日本国内で無条件の行動が、日米安保・地位協定で認められているからです。
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