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2017年12月03週
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 事故の東電福島は「廃炉」することで、事故の解決ないしは一件落着ということになっています。「国内外の有識者で構成する東京電力の原子力改革監視委員会は20日(11月)、東京都の東電本店内で会合を開いた。福島第一原発の廃炉作業に関し『正しい方向に進捗(しんちょく)が見られる』と評価した。終了後に記者会見したデール・クライン委員長は、第一原発にあるサブドレインの水位計設定誤りなどのトラブルについて『社内のコミュニケーションが不足している』と指摘した。その上で『再発防止策が確立されているかどうか見極めていく』と語った」(11月21日、福島民報)。
 原子力発電所は、扱う放射性物質が環境中に放出された時、その処理はあらゆる意味で困難である為、それを完全に閉じ込めることを前提条件として建設許可、可能となる施設です。
 東電福島の事故は、そこに集中して建設されていた4つの原子炉が、放射性物質を閉じ込めるすべての機能を、事故で失ってしまいました。結果起こっていることを大別すると以下のようになります。
1、炉心溶融にまで至った原子炉本体は事故から6年半経った現在もその状況が把握できず、言われている「廃炉」は本来の意味で何一つ見通しが立っていない。
2、壊れて、外部からの注水で冷却し続けるよりない原子炉から漏れ出す高濃度の汚染水からは、放射性物質のセシウム、多核種を取り出しているが、その保管及び、取り出せない放射性物質の保管量が増え続けている。
3、原子炉が平常・日常の運転でかかえていた使用済み燃料は、壊れた原子炉で不安定な状態のままに置かれている為、取り出すことが急がれるものの、4号機以外は全く手つかずのままである。
4、事故で閉じ込める機能を失った結果放出された放射性物質は、広く環境中に降り注ぎ、事故から6年半経った現在も、いくつかの町で、全住民の避難が続いている。降り注いだ放射性物質は、「除染」と称し主として表土を削ったりしているが、削り取った汚染土壌などは別の場所に移されると、そこを汚染することになる。
 「原子力改革監視委員会が「第一原発廃炉『正しく進捗』」と評価する廃炉は、そもそもが難しいのは、現状を1〜4で指摘した通りですが、現状をめぐるやりとりを「政治的意図や経済的利害、エセ科学を広めようとする思惑を持つ者の言葉に踊らされる」、「私たちは再び『知のプラットホーム』を用意する」「18世紀半ばに登場した『百科全書』のように散り散りになっている情報を体系化し…あるテーマにしぼりつつ言葉の空白地帯を埋める形で、『そのものについて語るならばこれは知っておきましょう』と知識の枠組みを示す作業」などとして、「福島第一原発廃炉図鑑」(開沼博編)たるものが示します。前提になっているのが「百科全書」です。「願わくは、後世の人々が私たちの『辞典』を用いて、『これが当時の学問と芸術の状態であったのだな。』といってくれますように! 願わくは、後世の人々が、私たちによって記録された発見に自分たちの発見をつけ加え、人間精神とその産物との歴史が最も遠く隔たった幾世紀までも代々続いてゆきますように! 願わくは『百科全書』というものが人間の知識を時の流れと変革とから保護する神殿となりますように!」(「福島第一原発廃炉図鑑」、「百科全書」岩波文庫より)。で、前掲「福島第一原発廃炉図鑑」は「学問を取り戻す、とは、あまりにも魔術的に語られ歪められてきた福島を取り巻く課題について科学的に説明を与え、課題解決の選択肢を用意する」意図でまとめられているのだそうです。
 しかし、事故及び事故の結果起こっていることを大別し1〜4で示したように、いかに「学問を取り戻し」「科学的説明を与え」たとしても、事実はくつがえしようがないように思えます。
 たとえば、東電福島の事故の3号機では「燃料取扱機の設置」が進められています。「東京電力が12日(11月)福島第一原発3号機の使用済み核燃料プールからの燃料の取り出しに向け、『燃料取扱機』を原子炉上部に取り付けた。2018年度半ばにも燃料取り出しに着手する」「燃料を移した輸送容器をプール外に搬出するクレーンは20日に建屋上部に仮置きする方針。建屋上部では放射性物質の飛散を防ぐ屋根カバーの取り付けも進んでおり、取扱機とクレーンはカバー内に収まる」「視察した経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は『作業は順調に進んでいる』との見方を示した上で、取扱機を操作する作業員の訓練やプール内の詳細な状況把握などが必要になると指摘した」「3号機のプール内には燃料計566体が残されている。東電と国は当初2017年度中の取り出し開始を目指したが、建屋上部の放射線量が想定通りに下がらず延期していた」(11月14日、福島民報)。
 燃料取り出しに向け、プール内で燃料を輸送容器に移す「『燃料取扱機』を原子炉建屋上部に取り付け」は、炉心溶融とその結果の建屋の爆発で、据え付けられていた設備が完全に壊れてしまった結果、使用済み燃料の移動はできなくなってしまったからです。もともとが高い放射線量の為で人間が近づけなくて遠隔操作のその設備が壊れたのですから、新たに「燃料取扱機」を取り付けるのは簡単ではありません。「屋根カバーの取り付けも進んでおり」は、露出した状態で放射性物資の飛散が余儀なくされる状態で、更にそれを加速させることを少しでも防ぐ為の「カバー」です。いずれにせよ、東電福島の事故が閉じ込めるはずの放射性物質を、閉じ込めるのはもちろん遮閉する手立てを失ってしまっているのですから、「燃料取扱機』の設置も、「屋根カバー」の設置も、その為作業する人たちはそこに近づくだけで被曝は避けられません。手順通りの手順のすべてを喪失し、本来は人間が作業する環境ではあり得ない場所で、しかし作業は絶対必要で進められるのが言われている「燃料取扱機を設置」などの作業です。その取扱機で作業員が作業する為には「操作する作業員の訓練やプール内の詳細な状況把握などが必要」なのは、作業は絶対に失敗が許されないからです。たとえば、取扱機の操作に失敗し、燃料の一部を落下させるなどのことが起こり、容器が破損し形状をゆがめたりした場合、その時点で一切の手立てを失うことになります。誰か近寄って「手助けする」ことなどが絶対にできないものを扱っているのですから。失敗・事故は許されないのです。ですから、「作業員の訓練」「プール内の詳細な状況把握」などが必要になります。もし、「福島廃炉図鑑」が「百科全書」などを引き合いに出し「技術と学問」「科学」について言及するとすれば、東電福島の事故対応・対策の「作業員の訓練」が必要とされることで期待されるのは、決して完全ではあり得ない「人間」の技術です。完全が求められる現場で、本来的に不完全な人間の技術に依存し、危ない橋を渡っているのが東電福島の事故現場です。同じように「プール内の詳細な状況把握」は、絶対に失敗が許されない作業であれば、大前提であるのはもちろんです。しかし、事故から6年半経った現在も、プール内の詳細は状況把握できていません。「建屋上部の放射線量が想定通り下がらず」の状態が続いているからです。人間の修得してきたいわゆる「科学」「技術と学問」は、たとえば放射性物質の処理は不可能であることを、「科学」「技術と学問」の名において認めてきました。「プール内の詳細な状況把握」が事故から6年半経った現在もできていないのは、本来の「科学」「技術と学問」がその名において阻むからです。
 事故の東電福島は、事故の後、そこは壊れた原子力発電所の事故現場でも、原子力発電所施設でもなく、法律で「特殊原子力施設」として特定されることになりました。一般に原子力施設であれば、その施設が環境中に放射性物質を放出することがあれば、直ちに操業ないし稼働は中止することになります。しかし、特殊原子力施設である事故の東電福島は、閉じ込めることが完全に求められる放射性物質をどれだけ放出するとしても許されることになってしまいました。「建屋上部では放射性物質の飛散を防ぐ屋根カバー」「放射線量が想定通りに下がらない」などは、閉じ込められなくなった放射性物質の放出がずっと続いていることを意味します。それは事故対策の作業の場合も、対策の為の使用済み核燃料の保管、保管場所であっても、特殊原子力施設である東電福島では、すべて許容範囲なのです。
 前掲の「第一原発廃炉『正しく進捗』」は、廃炉と言われている溶融した炉心に関しては、事故から6年半経った現在も間違いなくこれからも人間には手も足も出せない、処理不能の高濃度の放射性物質に汚染されかつ汚染され続けている現場であるとすれば、「正しく進捗」は、どのような言葉を弄してみたとしても虚偽以外のなにものでもありません。
 東電福島の事故は本来は完全に閉じ込めるはずの放射性物質を環境中に放出させてしまったこと、この物質は処理が不可能であることは、いかなる意味での「科学」「技術と学問」も認めざるを得ない事実です。その「事実」が、広く人間の生活をおびやかしているのが、以下のいくつかのできごとです。「周辺的」と見えるこれらの事実は、そのすべてにおいて東電福島の事故が「第一原発廃炉『正しく進捗』」が虚偽であることを事実において明らかにしています。

・「環境省・来年3月、大熊の復興拠点156ヘクタール/国費除染など着手」(11月23日、福島民報)「富岡の特定復興拠点範囲/6号国道車両で調整」(11月24日、福島民報)。大熊、富岡の「復興拠点」とされている場所は、避難指定された時、そして今も20〜50μSv/年の「帰還困難区域」です。住民は帰還できないし、帰還させることは、被爆による健康被害が余儀なくさせられる地域です。
 「除染土壌容化・技術の早期確立課題/低線量土活用の理解促進」(11月26日、福島民報)除染で発生する汚染土壌だけでも2000トンに達すると言われますが、その途方もない量を運びだすのも、運び込むのも困難を極めます。で、「減容化」なのですが、その過程でも、結果見た目のみなくなった汚染土壌などの放射線量はどんどん高濃度になります。
・「福島第一原発、遮水壁の除染作業最終段階/雨水対策は難航」(11月27日、福島民報)。汚染水対策の切り札とされ「国費350億円」で実施されている凍土壁は「完成」はしたものの、完全な稼働には至っていません。地下30メートルのことは分りにくいし、そもそも、雨が降り注ぐだけで「裸(はだか)!」に近い事故現場では、汚染水は増え続けるのです。
・「風評払拭へ強化戦略」(12月6日、福島民報)。農・水産物などのことで「風評」と言われ続けてきました。しかし、すべては「風評」ではなく、事故で降り注いでしまった放射性物質が原因であり間違いのない事実です。「風評」ではありません。

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