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2018年01月04週
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 東電福島の事故現場では、事故から7年近くたった今も、緊急の事故対策に追われています。その事故現場の原発内部取材報告が全国紙に掲載されていました。「東日本大震災で原子炉建屋が水素爆発を起こした東京電力福島第一原発には、1~3号機の建屋に、使用済み燃料が残っている。その取り出しを2018年に予定している3号機で最上階を取材した。昨年12月のことだ。「今回の取材は、体に影響が無いとされる放射線量の範囲で行う。…実際に施設の中に入ると、普通の工事現場のようで、身構えていた分、少し拍子抜けした」「作業員の人たちは、顔を合わせるたびに『お疲れ様です!』などと、明るくあいさつを交わす」「使用済み燃料566体が残るプールを覗き込んでみた。水面近くにガレキが残っている。この場所の放射線量は、毎時0.68ミリシーベルト。この日の最高値を計測した」「どこかにありそうな工事現場。そこには近づくことさえ難しい厳しい現実があった。全体で30~40年かかるとされる廃炉までの長い道のり。ゴールはまだまだ遠い」(2018年1月13日、朝日新聞)。
 「全体で30~40年かかるとされる廃炉までの長い道のり。ゴールはまだまだ遠い」と結ばれているこの東電福島の現場まで足を運んで書かれたこの取材記事が少なからず正しくないのは、言われている廃炉が、「30~40年」で片付くのはあり得ないことです。例えば「全体で30~40年かかるとされる」など、それがもし、30~40年で可能だとするなら、そんな判断を一体誰がしているのか、またその根拠を示す必要があります。例えば、それらのことを判断するしばらく前で原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「事故の東電福島のデブリ取り出し、廃炉は決してあり得ない。それを口にすることは、避難している当自治体に不要な幻想を与える、虚偽である」と、繰り返し言い切っていました。つい最近も、退任にあたってのインタビューでも「廃炉はあり得ない」と断言していました。もし、「全体で30~40年かかるとされる廃炉までの長い道のり。ゴールはまだまだ遠い」と誰かが口にしているとすれば、東電福島の事故対策を「廃炉カンパニー」の名で推し進めている、国・東電の当事者だけです。しかし、そんな名のもとに進められている事故対策は、すべてにおいて緊急の事故対策に追われる以外、廃炉と言いえるようなことは何一つ成し得ていないのは、今も、地元紙が断片的で短い小さな記事で伝える現場の様子が何より雄弁に物語っています。以下、小さな見出しの小さな記事について(以下、福島民報)。

12月19日:復興拠点25日から除染/環境省、双葉駅付近7ヘクタール/双葉町の施設保管開始、中間貯蔵大熊に続き本格稼働/第一原発1~3号機復水器、汚染水抜き取り完了。
12月21日:双葉、浪江の追悼・祈念施設、前田川左岸に配置案、国が提示/第一原発トラブル、実施計画違反の恐れ/環境省が家庭ごみ回収、飯舘の長泥、25日に開始。
 12月22日:福島第一廃炉最高責任者、年間作業統括し陳謝/2号機ブロック材、来年前期撤去予定、東電が発表。
 12月20日:第一原発1号機原子炉建屋、がれき撤去準備完了、来月中旬、作業開始。
 12月16日:廃炉作業「地元の声聞きながら」、更田(ふけた)規制委員会委員長、4市町村間/復興状況を報告、浪江町で国、県関係者ら協議/現状回復作業を公開、浪江除染廃棄物仮置き場、環境省。
 12月15日:トリチウム汚染水放出。「住民の理解必要」更田規制委員長3市町村で懇談。
 12月23日:整備案に690億円、帰還困難区域事業本格化、特定復興再生拠点/中間貯蔵施設整備案、923億増、2799億円。
 12月24日:県魚介類「不安ない」日本人76%、外国人47%、県漁連調査。
 12月26日:第一原発2号機、炉心溶融時水位誤り、東電発表、燃料ほぼ露出/水素爆発の分析も公表。/双葉特定復興拠点で除染着手、帰還意識維持が課題。
 12月27日:「炉心溶融は使うな」判断は元東電社長、新潟県との合同検証委報告/被爆線量管理、一部に入力ミス、原発事故緊急作業で。
 12月28日:仮置き場、原状回復へ方針案、環境省兼官手法を明確化/落ち葉、森林外影響なし、放射性物質調査、環境省が中間報告。
 12月29日:核のゴミ意見交換会動員問題最終報告、全容解明、程遠く/魚貝類の放射性セシウム、2年連続基準超ゼロ、県調査/再発防止へ対策強化、第一原発人為ミスで重要施設停止/除染土管理に基準、環境省検討実証開始へ協議。
 12月30日:本県除く東北と関東の7県分、除染土処分の実証事業。
 1月6日:トリチウム処理水処分方法、「国の結論待って判断」東電川村会長、小早川社長インタビュー。
 1月11日:復興の歩み感じる。両村内閣官房副長官、第一原発を視察/着実な廃炉への覚悟示す。東電社長、被災3町村の首長訪問。

 以上、多くは小さな見出しの、小さな記事ですが、その一つ一つからかいま見えるのは東電福島の事故が終わりのない始まり、その入り口くらいに止まっていることです。12月21日の「環境省が家庭ゴミ回収、飯舘の長泥、25日開始」の場合、対象になっているのは飯舘村長泥です。「環境省は25日から、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の飯舘村長泥行政区で、住民が一時帰宅した際に生じる家庭ごみの回収を始める」(12月21日、福島民報)。一地方自治体の一地方で、直接、環境省(国)が、家庭ごみ回収をするのには理由があります。長泥は、飯舘村でも特に放射線量が50mSv/年以上と高く、帰還困難区域となりました。帰還が可能となるのは、他がそうであるように、放射線量が20mSv/年以下になることでしたが、事故の終結、帰還を最優先とする国の方針で、その地域(長泥も)を、特定復興再生拠点に指定し、住民の帰還を急がせることになっています。こうして、強引に進められる政策ですから、その地域の放射線量のことなどには一切言及されることはありません。すべて、避難解除、住民の帰還優先なのです。「今後、行政区内で、特定復興再生拠点の整備や除染土壌の再生利用事業が始まるのを前に住民の利便性を高め、生活再建を後押しする。村の担当者は『従来的な帰還意欲の高まりにもつながる』と期待している」(同前、福島民報)。飯舘村は、恵まれた自然を、更に生かす村の人たちの取り組みで後継者も育つ豊かな村でした。もし、その村の「利便性を高め」「生活再建を後押し」し、「帰還意欲を高める」ものがあり得るとしたら、帰還困難となる前の安全な飯舘村です。そこに戻れば被ばくを余儀なくされる村の家庭ごみの回収を、村の人たちの手はなく、環境省(国)が実施する場所(危険な場所)なのです。
 東電福島の事故の原子炉の廃炉が「30~40年かかるとされる」その「とされる」が何一つ根拠もなくかつ難しいのは、事故現場がその後の対応の為のあらゆる手立てを拒むからです。建屋が吹っ飛んでしまった使用済み核燃料の取り出しは急務です。露出状態で566体の使用済み燃料の入っているプールが壊れるようなことがあれば、燃料の取扱いはもちろん、そこに近寄れないだけではなく、事故の東電敷地内のすべての事故対策の作業が不可能になり、更にそこから途方もない放射能事故の終わりのない始まりになってしまいます。3号機の使用済み燃料の取り出し作業は、廃炉への一歩ではなく、何かへの道のりでもないばかりか、突き付けられているのは、あり得ないゴールへの歩みです。
 飯舘村長泥で始まった、環境省(国)による家庭ごみの回収も同様で、降り注いでしまった放射能のごみの危険に住民をさらすことが、住民の利便性につながることは、どんな意味でもあり得ません。
 東電福島の事故が突き付けているのは、原子力発電所が炉心溶融のような事故になってしまった場合、どんな意味でも対応が困難であることです。放出されてしまった放射能の毒は、遮ることも消し去ることも出来ないのです。この点について、「原発のいま/2017.12.1」(朝日新聞)の、「…事故直後から比べると放射線量は1千分の1以下になっているという」その通りだとして、「1千分の999」は一体どうなったのかを考察することは少なからず必要です。一般に放射性物資には半減期があって、極めて危険な物質の一つセシウムの半減期は28年と言われます。セシウムの毒が半分になるのに30年かかってしまうし、プルトニウムにいたっては、2万年とも言われます。たった7年で、1千分の1はあり得ないのが放射能の毒です。その場所の放射線量が1千分の1になったのは、爆発で露出し、その瞬間に途方もない放射性物質が環境中に飛散し、そこに付着していた放射性物質が遮るものがないままの風向きなどで、広く周辺地域に降り注ぐことになった結果です。以下になったのは別の場所に1千分の999が飛散した結果の1千分の1なのです。遮ることも消し去ることも出来ないのが放射能の毒だからです。
 福島原発事故告訴裁判の日程は、第2回が2018年1月26日(金)、第3回2018年2月8日(木)、第4回2018年2月28日(水)と決まっています。いずれも、東京地裁です。福島原発告訴団、福島原発刑事訴訟支援団「東京電力福島原発刑事訴訟 厳正な判決を求める署名」を集めています。ご協力をよろしくお願いいたします。

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