日本キリスト教団西宮公同教会・西宮公同幼稚園
教会について
礼拝・諸集会のご案内
小さな手・大きな手
公同通信
教会学校について
公同幼稚園について
どろんこと太陽
関西神学塾:スケジュール
関西神学塾:講師紹介
楽しい学習
賃貸住宅事業部とは
テナントについて
活動内容
アートガレーヂについて
催し物のご案内
リンク
アクセスマップ
お問い合せ
width=1
top>小さな手大きな手
width=639
小さな手大きな手

height=1
2018年04月05週
height=1
 東電福島の事故の後、閉じ込められなくなった放射性物質が降り注ぎ、たくさんの人たちが避難します。避難区域は、放射線量によって、3つの区域に分けられました。 
  帰還困難区域      50m㏜/年以上
  居住制限区域      20~50m㏜/年
  避難指示解除準備区域  1~20m㏜/年
 長期の避難が続く中で、放射性物質の除染で、避難を解除する区域が増えてきました。除染の費用は、既に2兆円を超えています。避難と、避難解除は当初、放射線量が国際基準1m㏜/年以下でしたが、「低線量の被曝は心配がいらない」「被曝量を自己管理していれば安心だ」などを理由に、解除は、20m㏜/年以下に引き上げられました。多くの場合他の場所では、その20m㏜/年以下でもなく、「除染を実施した」だけで、放射線量は確認されないまま、避難が解除されます。高い放射線量を理由に、避難を余儀なくされたにもかかわらず、避難解除に際して放射線量があまり問題になりません。「大熊町は2018年度、東京電力福島第一原発事故に伴う居住制限区域の町大川原地区、避難指示解除準備区域の町中屋敷地区の宅地周辺で放射線量を調査する。町民に対し、フォローアップ除染に対する国への要望や、家屋解体の有無などの判断材料にしてもらう」「6日に開会した町議会定例会の冒頭、渡部利綱町長が施政方針で示した。西地区は2013年度に除染は完了したが、その後、詳細な放射線量調査は行われていない。町は避難指示の解除を見据え、町民の希望があった場合に宅地内外の現状を調べる」(3月7日、福島民報)。高い放射線量の為に避難したのに、解除後の放射線量は言わば見て見ぬふりです。
 今、その避難解除は、帰還困難区域に広がっています。避難困難区内の特定の場所を、特定復興拠点に指定した上で、拠点を限定して除染し、避難を解除します。条件は除染だけです。「大熊町の帰還困難区域のうち、政府が認定した特定復興再生拠点は約860ヘクタール。国で除染や建物解体の工事を進め、2022年春ごろまでに拠点の避難指示解除を目指す」(3月7日、福島民報)。こうして帰還困難区域が除染で避難解除になる時も、避難(住めない理由!)は高い放射線量だったはずなのに、解除の時には言及されないのです。しかし、帰還困難区域を、特定復興拠点として除染し、避難解除になったとしても、大熊町、双葉町、浪江町などほぼ全域が帰還困難区域であるとしてその範囲は8%に止まっています。「東京電力福島第一原発事故は放射線量が高く、立ち入り制限が続く帰還困難区域に人が再び住めるように整備する『特定復興再生拠点区域』(復興拠点)の計画面積は、県内7市町村が抱える帰還困難区域約337平方キロのうち、約8%に当たる17平方キロにとどまることが14日、分かった」「復興拠点は国費を投じて集中的に除染や建物解体、インフラを整備した上で、新たな住宅や建物企業誘致、営業再開の準備を進める。政府は5年後をめどに避難指示を解除する方針」「しかし拠点外の地域は除染されず帰還困難区域として残り、解除の見通しは立たないままとなる。帰還を望む住民不満は根強く、各自治体は帰還困難区域全体を早期に除染するよう強く要望している」(4月15日、福島民報)。もし、帰還困難区域の50m㏜/年が、除染で避難解除が可能なのであれば、拠点面積が8%ではなく「全体」除染は、少しばかり時間がかかっても事故の当事者である、東電・国が拒む理由はないはずです。しかし、拠点面積は全体の8%で、残りの92%と言われる帰還困難区域の除染や避難解除に言及も実施もされません。と言うような、復興拠点とはそもそもなんなのだろうか。「拠点」というものは、そこを手掛かりとして、失われたものを取り戻すないしは、それを手掛かりに元の町を取り戻すことの可能性を意味するはずです。一方で、双葉、浪江町の特定復興拠点の中心事業の一つが「復興祈念公園」(3月16日、)だったりします。別に大熊町の大川原地区の場合は「商業施設」です。「整備に向けた町商工会が会員を対象に実施した動向調査では、食料品店や飲食店、理美容院など8店舗程度が出店の意欲を示しているという」(3月7日、福島民報)。そこに人が住んで生活する場合に求められる商業施設は、それぞれ多様に求める必要にこたえて初めて意味があります。「多様な求め」の多くは、先送りできないものであることが多いはずです。日常生活のその時に間に合わなかったりすると、なかなかつらかったりする場合もあるのですから。生活はそれをめぐる知恵で、局面を打開する場合もありますが、生活というものが本来持っている多様なつながりと展開が可能であって始まるものです。周囲が、強い放射線を除染できないまま設置されている(設置するよりない)場所で、一体何が可能になるのだろうか。拠点化はそれらが遠くない場所にあって初めて、人はそこに止まって止まり続けるはずです。大熊町、大川原地区の場合は、たとえば2人の子ども、病身の高齢者などとの共同生活であるとすれば、この拠点のこの程度の商業施設では、生活は成り立ちようがありません。
 普通に生活者として一日を迎え、一日を終えて明日につなぐとすれば、限られた生活条件の限られた生活範囲しか得られない特定復興拠点は、生活する人の復興には、どんな意味でもつながりにくいのです。なのに、双葉、浪江町にまたがる特定復興拠点の一部に国・県によって復興祈念公園が計画されています。事故現場では、緊急事態が続き、避難も解除されていない町に、どうして今復興祈念公園なのだろうか。それって、終わりようのない東電福島の事故を、元の町の8%を特定復興拠点として復興を演出し、同じような演出が復興祈念公園であるように思えてなりません。
(次週へ続く)


height=1
[バックナンバーを表示する]
height=1


?????width=80

Copyright (C) 2005 koudoukyoukai All Rights Reserved.