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2018年10月03週
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 重大事故になった東電福島の状況は、大きくは3つの分野で、事故後の対応が続いています。その場合前提になっているのが、2020年のオリンピックの誘致にあたって、アベ政治が世界に向かって「公言」した「放射能はコントロールされている」です。そうして「公言」したことのすべてが、コントロールされていない事実を事実によって明らかにしています。
1、事故後の緊急の事故対策が続いている
 東電福島の事故は、放射性物質を決して環境中に放出しないことを、科学の名において約束したにもかかわらず、それが起こってしまいました。「放射性物質を決して環境中に放出しないことを、科学の名において約束」したのは、万一放出する事態が起こってしまった時、人間がその英知で成し遂げてきた科学もそれを除去できないからです。東電福島の事故での、原子力発電所の事故対策の指示書にも、重大事故の対策は示されておらず、事故の確率だけが、1/100万年などと書かれており、事故対策の項は空白になっていました。
 しかし、東電福島で、燃料、圧力容器、格納容器が溶融する重大事故が起こり、現場では緊急の事故対策が続いています。事故対策の一番の課題は、環境中に放出することを止められない、放射性物質に対する対策で、放出されてしまった放射性物質の取り扱いは困難を極めています。後者の「放出されてしまった放射性物質手に負えないのが、トリチウム汚染水です。環境中に放出された放射性物質については、空気中に放出されるものはもともとが取り扱うことは不可能で、その一部降り注いだものについては、限られた範囲でその「量」を測定し、人間の生活に影響がない状態に戻す為の「除染」が広い範囲で実施されることになりました。難しいのは、見えなくて臭わなくて直接人間の五感では感じることができず、更に、どんな境界も超えて浮遊する物質である為、「除染」は困難を極めることになります。「除染」取り除くことになじまない物質なのです。
 事故の緊急事態が続く東電福島の事故現場では、前述の壊れた原子炉を冷やす為に注水した水が、高濃度の汚染水になって流れ出る為、その汚染水の毒の「浄化」が行われています。しかし、「浄化」とは言うものの、この場合の毒はどんな意味でも除去ないし、中和することはできませんから、第一段階の循環冷却施設では放射性物質のうちセシウムを除去します。除去したとされるセシウムもまた、どんな意味でもその毒を除去することも中和することもできませんから、専用のタンクに閉じ込められ、事故の東電敷地内に保管されています。第二段階は、第一段階で除去できなかった、数十種の放射性物質、多核種を除去します。それでも尚残ってしまうのがトリチウムです。そして、トリチウム汚染水が東電福島の敷地内で増え続けています。更に増え続けて、処理が難しいトリチウムの扱いに困り果て、原子力規制委員会などから提案されているのが、トリチウムの「海洋放出」です。これらのことを現実的に判断する処理方法の目安にして予算も計上されていたりします。それによると、薄めて海洋放出するのが安上がりということになっています。というようなことを、広く一般の人たちに聞くとして始まったのが「トリチウムを含んだ水の処分を巡る」公聴会です。ところが、この公聴会の開催に先立って明らかになったが、この汚染水にはトリチウム以外の放射性物質も含まれており、その濃度も規制値を超えているという事実でした。この事実について、東電は明らかにしてきたと答弁していますが、もしそうだとすれば、トリチウムだけを特定し、その処理法を問う公聴会の前提が崩れてしまいます。実際に実施された公聴会後に東電が発表したトリチウム以外の多くの放射性物質が、排水基準値を上回っていたことが明らかになっています。「今回の東電の発表によると、処理水計94万トン(9月20日現在)のうち約89万トンを分析した結果、トリチウム以外で排水基準値を下回るのは約14万トンで、約75万トンは超過すると推定される。基準値超えの中には半減期が約30年と長く、体内に入ると骨に蓄積しやすいストロンチウム90も含まれ、サンプル分析では最大で基準値の約2万倍の1リットル当たり約60万ベクレルが検出された」「基準値超えの原因として東電は、ALPSの不具合や、放射性物質を浄化する吸着塔の交換時期が遅れたことなどを挙げた」「東電は分析データをホームページに掲載していたが、積極的には公表してこなかった。松本純一廃炉推進室長は28日(9月)、『説明不足で、反省している』と釈明した」(9月30日、毎日新聞)。もし、「説明が不十分で、反省している」だとしても、トリチウムを特定して公聴会を計画・実施したことの「釈明」にはなりません。もし、「分析データを…積極的には公表してこなかった」としても、トリチウムを特定して公聴会を計画・実施したことは、いわゆる隠蔽・虚偽以外のなにものでもなくなります。
実は、トリチウムを含む処理水の処分を検討する政府の小委員会も、この事実を把握していませんでした。で、隠蔽・虚偽が「発覚」した後の小委員で、再浄化を前提にすることで一致・確認されています。「小委員会は1日、経済産業省で開かれ、処理水の再浄化を今後の議論の前提とすることで一致した」「東電は処分する際の風評被害などの軽減に向け、放射性物質が排水の法令基準値を下回わるよう低減するする必要があると判断。この日の小委員会で、トリチウム以外の放射性物質を含む処理水を多核種除去設備(ALPS)などで再浄化する方針を表明した。これを受け山本一良委員長(名古屋学芸大副学長)は再浄化を小委員会での議論の前提とする考えを示した」(10月2日、福島民報)。以上述べてきた経過で少なからず明らかなのは、「トリチウム浄化」は難しい、だからトリチウム汚染水は薄めて海洋に放出するとしてきた汚染水は、基準値以上の他の放射性物質も含む汚染水だったことです。なのに、トリチウムに特定して、その処理を巡る公聴会を開催することは、その公聴会の成り立ちの根拠を失うことになりました。そうした経緯の一切を認めながら示される東電の対応は、「説明が不十分で反省している」です。明らかに解っていたことを明らかにしないで、トリチウムに特定した公聴会を計画し、直接関係する人たち(被災者)を集めてしまっていたのに、それが「発覚」した時、「説明が不十分で反省している」はないだろうと思う。まず、しなくてはならないのは、隠蔽・虚偽を謝罪することではないだろうか。その隠蔽・虚偽にそのまま乗っかっていた小委員会の山本一良委員長が、議論の前提として「再浄化」にしたのも、当然のはずです。
 なのに、これらすべてのことを規制する役割の原子力規制委員会の更田豊志委員長は「再浄化必ずしも必要ではない」と語っています。「再浄化は東電が処分前に実施する方針を表明している。更田氏は『科学的な意味では、再浄化と(より多くの水と混ぜることが)希釈率を上げることに大きな意味の違いはない』と指摘。『(再浄化は)絶対必要だと規制当局として要求する認識ではない』と述べ、再浄化しなくても希釈により基準値を下回れば海洋放出を容認する考えを示した」(10月6日、福島民報)。事業者である東電が「再浄化」を表明し、それらのことの政府の専門の小委員会が、東電の見解を議論の前提とするとしているのに、規制委員会は「再浄化必ず必要ではない」と言ってしまっていいのだろうか。ALPSが欠陥施設で、更に取り扱いの不備で、(フィルターの交換遅れ)一部基準値を超えるストロンチウムが残ったとしても、一応除去、分離する施設です。しかし、「希釈」するのとは訳が違います。そんな訳の解っていることをごっちゃにしてもかまわない人が、原子力規制委員会の委員長であっていいのだろうか。
 問題の核心は、東電福島の事故が、人間の手では処理不能の放射性物質を環境中に放出してしまったことで、同じように核心はその事実と向かい合うことです。

2、避難解除は除染による放射線量の低下が約束だった
 東電福島の事故では、全町村が避難になった双葉町、大熊町、浪江町、飯舘村など、最大で10万人を超える人たちが避難を指示され避難することになりました。
避難解除準備区域:1~20m㏜/年
居住制限区域:20~50m㏜/年
居住困難区域;50m㏜/年
 東電福島の事故の2011年時点でも、現在も、一般に人が日常的に生活するにあたって許される放射線量は1m㏜/年以下でした。2011年当時、いわゆる専門家が福島の子どもたちの生活する家庭や学校において、20m㏜/年は「この数値以下で健康被害は報告されていない」従って「心配する必要はない」と言われるようになり、その事に対する懸念が別の専門家や広く一般の人たちから出されましたが、いわゆる専門家による圧倒的情報量によって避けられてしまい、今日に到っています。にもかかわらず、10万人を超える人たちに避難指示が出されるにあたって出されたのが前掲の3つに区分された放射線量でした。その数値によって、有無を言わせず避難指示が出され、その解除は1m㏜/年以下が当然だと考えられていました。
(次週につづく)
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