日本キリスト教団西宮公同教会・西宮公同幼稚園
教会について
礼拝・諸集会のご案内
小さな手・大きな手
公同通信
教会学校について
公同幼稚園について
どろんこと太陽
関西神学塾:スケジュール
関西神学塾:講師紹介
楽しい学習
賃貸住宅事業部とは
テナントについて
活動内容
アートガレーヂについて
催し物のご案内
リンク
アクセスマップ
お問い合せ
width=1
top>小さな手大きな手
width=639
小さな手大きな手

height=1
2018年12月04週
height=1
(前週よりつづき)
 12月5日(水)に、津門川の生きものたちが大量に生命を奪われてしまうという事件、事故については、当日の様子を写真入りで報告しました。当日、汚染水を流れ出したろ思われる山陽新幹線の地下水が流れ出る門戸厄神駅付近に出会った西宮市、兵庫県の担当者に生きもの、魚たちの処理を速やかに行うように申し入れましたが、そもそもの汚染水を流出させた事業者が12月7日朝に門戸方面を歩いていて、川から汚染物質を採取しているところに出くわすことになりました。山陽新幹線の六甲トンネルの工事をしていた「大鉄工業株式会社」の関係者です。帰ってから電話で連絡をしましたが、夕方訪ねて来られた責任者に「今後のこと」を申し入れしました。今後のことについては、大鉄工業、および工事発注者のJR西日本、兵庫県、西宮市、そして津門川の川掃除、生きものとの付き合いを20年以上続けている地元の津門川の自然を守る会の「5者」です。
 そして実現したのが、12月10日(月)の5者による情報交換、打ち合わせです。
 冒頭で、JR西日本から、事件、事故の発生についての報告がありました。
 山陽新幹線の神戸トンネルの東入り口から約7kmの地点で、トンネルの壁の補強作業をしていたが、12月4日(火)~5日(水)にかけての深夜に壁から注入していた充填剤(モルタル系・JETモルタル、セメント系・ベントライト)約13㎡のうちの一部が漏れ出し、トンネル内の排水路を通って外部に流出したと考えられる。充填作業は、5日午前4~5時頃の1時間。JR西日本等が気が付いたのは、外部からの通報を受けた5日午前11時頃。死んで浮き上がった生きもの、主として鯉などの回収は、5日午後5時から始め、6日、7日にも実施した。回収地点を図で示されたが、全体でおよそ300匹。死因については、確認していない。種類についての確認もしていない。
 10日(月)には、たまたま訪ねて来られた山本先生(武庫川流域圏ナットワーク代表)も同席し、いくつかの点を質問ないし、確認することになった。死んで浮き上がった生きもの、魚のうちJR西日本によって示された数は、ほぼ大型の鯉のみで、他の川の生きものについては、示されていない。津門川には、大型の鯉、銀ブナのほかに、小型のおよそ15種類のアユなどの小魚、別にナマズ、カニなども確認されているが、それらのほぼすべてが死んでおり、更に多くは流されてしまったと考えられる。要するに、171号線から下流の国道2号線あたりまでの川魚のほぼすべてが死滅したということになる。
 そして、汚染された川の清掃・復元については、今後も5者の確認に基づいて実施する。
 しかし、この点については、山本先生から流されて一旦川底に沈殿している汚染物質は、たとえばそれを除去するときに、川底を触ることになり、復元はかなり難しいとの指摘があった。津門川が川魚の世界になっているのは、川底が砂で、極小の生物が育ち、小魚の食べものを提供していること、更に、川底に点在する小中の小石のこけは、例えば小型のアユなどが、登ってきて大きく育つ食べものになっている。そのすべてを覆ってしまっている、汚染物質をもし除去することになれば、それらの生きものたちが戻っても生活できないなど。
 大鉄工業、JR西日本からは、清掃、後作業などの提案がなされており、その方法などは以下のようになっている。
 清掃・復元にあたり、汚染物質で川の水を汚し、それが下流に流れるようにするため、川底を順次、土嚢等で区画し、その内部で作業し、下流域に向かって移動する。とにかく、汚染物質をもう一度流すことはしない。というものは、津門川の阪急神戸線より上流では、下流域からすでに鯉などが数少ないものの登ってきており、細心の注意を払う。
 一般に、津門川と呼ばれている川は、国道43号線より下流で、西側から流れる東川と合流地点から、国道171号線より少し北の門戸で、地下に戻るまでで、(管理は兵庫県)、それより上流は武庫川から取水して農業用水として使うための水路(百間樋水門)管理は西宮市です。現在、その部分からの清掃、復元が始まっており、津門川の部分は12月17日(月)以降、具体的な方法を示して以降になります。
 以上、たくさんの生きものの生命が、流された汚染水によって奪われてしまった事実と、その後の津門川の川の清掃、復元のことの概略の報告をしましたが、一旦汚してしまった「自然」は、それが元に戻るのは並大抵でないのは、現在、寒中に人力で進められている作業を見ても明らかです。それでも、元には戻りにくいのです。
 23年前の兵庫県南部大地震の時、壊れた住居が瓦礫となって撤去されました。撤去費用を期限付きで国が補償することになったため、それが急がされることになり、西宮の場合その瓦礫は西宮浜に運ばれました。その総量は約800万トンといわれました。長い車列が阪急神戸線の北にまで延び、西宮浜では30mを超える山になり、火がつけられてしまいました。「野焼き」が始まったのです。それはおよそ3か月間続き、おびただしい量の有害物質が、その時の風向きで市街地まで運ばれてきましたが、それは見えませんでした。環境は、明らかに汚染されたのです。その時に、植村正策先生(大阪大学)を訪ねて、その問題点などを聞きました。「この見えない汚染が、直接すぐに人体に影響が出ることはない。しかし、少なからず人間の免疫力に影響はある。と思われる」ともおっしゃっていました。この度の津門川では、たくさんの生きものたちの生命が、人間が作り、使っている物質によって奪われてしまいました。環境汚染です。今を生きる人間、子どもたちも津門川の場合と同じではありませんが、人間の作り出した物質にさらされた結果と考えられる食物アレルギーなどが多くなっています。人間の知恵で作り出した物で生き延びてきた人間、その人間の作り出した物で生命力、復元力を弱めてしまっていることを意味します。人間の作り出した物にさらされることによって、人間の生命力、復元力が弱くなっているというのは、23年前に、植村正策先生のおっしゃっていた「免疫力」と関係していると考えられます。自然破壊、それにさらされる生きものたちの生命、人間の生命は、生命力、復元力で生き延びてきたのでしょうが、それが脅かされる時、脅かしているのが人間らしいのです。津門川の大量の川の生きものたちの死は、そんなことを考えることのきっかけを提供しているようにも思えます。
height=1
[バックナンバーを表示する]
height=1


?????width=80

Copyright (C) 2005 koudoukyoukai All Rights Reserved.