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小さな手大きな手

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2019年02月04週
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(前週よりの続き)
 事故対策のすべてが困難を極めるのは、広く環境中と、中でも東電敷地内のずべてのものが、高濃度に汚染されて、人間を拒むないし危険にさらすことになるからです。
 全町民の避難が今も続いている双葉町で2月9日(2019年2月13日現在、町全域が立ち入り禁止で、町民は一人も戻っていない)「原子力災害アーカイブ(記録庫)拠点施設」の起工式が行われました。「…安全祈願と起工式は9日、双葉町中野の現地で行われた。震災と東京電力福島第一原発事故の記憶や教訓を後世に伝え、復興に向け歩む姿を世界に発信する。今月下旬に着工し、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年7月の開所を目指す」「伊吹町長は『地震、津波、原発事故という世界にも例のない理不尽な複合災害に直面し、今もなお闘っている現状を国や世代を超えて共有したい』と述べた」「総事業費は約50億円で、国の交付金などを活用する」「昨年末現在、震災前の暮らしが分かる写真や映像、手紙、住民へのインタビュー音声など約15万9千点を全県から集めた」「この施設と接するように復興記念公園が整備される」。「安倍首相の施政方針演説」で「…地元の皆さんの地道な活動』が続けられる、双葉町は、2019年2月13日現在、住民は一人も戻っていません。町全体が立ち入り禁止になっています。事故の東電福島の立地する双葉町は、町のほぼ全域が残留放射線量50 mSv/年以上の期間困難区域です。「東日本大震災・原子力災害アーカイブ(記録庫)拠点施設」は、双葉蝶でも数少ない避難指示解除準備区幾です。双葉町では、別に「復興記念公園」が整備されることになっていますが、何かが少なからずずれているように思えます。東電福島の事故で全町民が避難することになった双葉町はその事故の現実がそのままの現場であって、事故前の元の町に戻ることが当面は考えにくい場所です。更に、その双葉町は東電福島の事故で降り注いだ放射線物質の危険の除染のために削り取った放射性物質・汚染土壌などが大量に運び込まれる場所になっています。「危険」だから削り取られた汚染土壌などが運び込まれる「中間貯蔵施設」が運び込まれるのが、双葉町と隣接する大熊町で、大量、全体で1400~2000万トンとも言われる汚染土壌などが運び込まれる町なのです。「危険」だから削り取られ、かつ持ち出された危険物を大量に運び込まれる双葉町はもちろん危険な場所になってしまいます。すべてが事故後そのままで、更に中間貯蔵施設が建設されるその双葉町に「東日本大震災・原子力災害アーカイブ(記録庫)拠点施設」が建設され「原発事故の記憶や教訓」を後世に伝えることになったのだとすれば、元の双葉町に戻らない、要するに人間の住まない町そのものが「アーカイブ(記録庫)」になることを意味します。後世の人たちに東電福島の事故を呼び起こす「記憶」としての町、双葉町なのです。もちろん、その双葉町は、記憶されることがあっても、生きた人の住む町としては消滅しています。

(注)
 2月13日に、2号機原子炉格納容器内に溶け落ちた核燃料の「接触調査」が予定されていました。「貫通部からパイプ型の機器を格納容器内に挿入し、2本の『指』が付いた装置で底部に堆積する小石状のデブリなどを持ち上げられるかどうかを調べる」。13日にその調査が実施されました。「東京電力は13日、福島第一原発2号機の原子炉内で、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を初めて装置で触る調査をした。格納容器底部にある小石状の複数のデブリと見られる塊を装置で持ち上げることができたという。デブリの堅さや線量の強さを確認し、2021年から本格的に始めるデブリの取り出し作業のための装置や保管容器の開発につなげる」「原子炉格納容器の側面に開いた穴から、作業員が伸縮式の棒状の装置(最大15メートル)を炉内に挿入。原子炉建屋から少し離れた別の建物から遠隔操作で装置を動かし、格納容器の底まで吊り降ろした。装置の先端には、ゲームセンターのクレーンアームのような器具(長さ3cm)や線量計カメラが搭載されている」(2月14日、朝日新聞)。
触るのが、「特殊な装置」であらざるを得ないのは、そこを除いてみたり、手を入れたりが絶対できない場所だからです。挿入したのは「容器の側面に開いた穴」となっていますが、そんな穴が開いているとしたら、この穴はそこから超高濃度の放射性物質が漏れ出してしまうため、とても危険です。したがって「棒状の装置」を挿入する作業員は完全な防護服で、しかも短時間の作業でも被爆を避けられないことになります。この「棒状の装置」が「1~8cmの小石状塊」を持ち上げることしかできないのは、その程度のものしか挿入できない「穴」だからで、それ以上大きな穴になると、漏れ出す放射性物質の危険は飛躍的に大きくなります。
 もし、13日の調査がその程度だったとすれば、「2021年から本格的に始めるデブリの取り出し作業のための装置や保管容器の開発」は急ぐ必要はないことになります。どんなに急いでも超高濃度の放射性物質が、作業のすべての工程を拒み続けているのですから。そもそもが、デブリの取り出しはもちろん、廃炉も手の付けようがないのが、東電福島の重大事故なのです。


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