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2019年03月03週
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(前週よりつづき)
3、「今後とも知事との話し合いはしっかりと続けていきたい」
 「話し合い」はとても大切です。ただ、それが成り立つ為には「話し」「聞く」に値する言葉の交わしあいであることが不可欠です。「話し」が、「合い」である為には、その相手に届く言葉が含味され選ぶ必要があります。相手に聞く耳があったとしても、解りにくくては困るのです。ことさら解りにくい難解は論外ですが、共有し、かつ共生することがお互いの根底にあって、共通点を一つでも多く見つけ出したいから、たぶん「話し合う」を選ぶのだと思います。当然、話し合う相手には、その人のそれなりの願いや主張がありますから、その言葉を聞いて、時には待ち時には譲るということが求められたりもします。「話し合う」いうことは、そんな覚悟の問題でもある訳です。「話し合う」と言いながら、その覚悟がないとしたら、その人の「話し合う」は、単なる自己主張の場に終わってしまうはずです。

 例えば、3月1日のアベ首相と玉城沖縄県知事との「話し合い」で、首相の側は何一つ譲りませんでした。
 そもそもが、基地建設が現実になっている沖縄県民の「県民投票」が、多数の県民の「反対」の声になり、それをもとに実現した「話し合い」であるにもかかわらず、その時、工事は中断されることはなく、強行・実施されていました。実現された「話し合い」の前提であるはずの、基地建設とその強行は首相の側では何一つ譲るつもりはなかったのです。そして実現したはずの「話し合い」は、本来話し合いというものが持っている意味を踏みにじります。要するに、「話し合う」つもりなどなかったことを意味します。
 2017年に、日本の幼児教育・保育の基準となる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の改定が行われました。改定に伴い、子どもたちが小学校就学前の姿を想定した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が示され、具体的な姿や保育者の指導のポイントがまとめられています。

1、 健康な心と体
2、 自立心
3、 協同性
4、 道徳性・規範意識の芽生え
5、 社会生活との関わり
6、 思考力の芽生え
7、 自然との関わり・生命の尊重
8、 数量・図形・文字等への関心・感覚
9、 言葉による伝え合い
10、豊かな感性と表現

 たとえば、前掲の玉城知事との面談のアベ首相は、「自立心」「協同性」「思考力の芽生え」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」などにおいて、「育たないまま」大人になってしまっているように思えてなりません。「10の姿」が具体的に想定していることをつまびらかに調べている訳ではありませんが、たぶんそんな難しいことを言っている訳ではないはずです。

「自立心」:自立心は、自己・己れにおいてそうであると同時に、他者おいても同じようにそれを尊重する時に、はじめてその本来の意味を持ちます。他者をも深く洞察し、その自立と自立心を妨げてはならないのです。その他者の自立心は、沖縄の場合だったら、50%を超える県民投票の70%を超える辺野古新米軍基地反対の意思表示の「民意」です。
「協同性」:この世界に生きて、たった一人であっても実現できることはなくはありませんが、人間の営みの多くは、そこに他者がいてより多くのより豊かな恵み、生活の果実・結果を生み出してきました。協同性がもたらすのは、その結果を時には祝い、喜ぶ生きた他者の存在です。沖縄の「民意」は、辺野古新米軍基地反対です。亡くなった翁長雄志知事を選んだ「民意」、玉城デニー知事を選んだ「民意」そして県民投票の「民意」は、アベ首相とその政策が強行に押し進め、その結果起こっている協同性の軽視への警告です。喜び合える他者の存在こそが、協同性によって育つ果実だからです。
「思考力の芽生え」:人間における思考力の芽生えは、立ち止まって、思考する課題に立ち向い、そこで耐えたり悩んだりもしながら、一方で、他者の思考や生き方を見たり聞いたりすることによって養われます。何よりも大切なのは、その時の他者の存在です。そこに、ぼんやり立ったり座ったりしているだけでも、全く思考していない訳ではありませんが、異なった何か、異なった他者の存在が、思考の始まりになり、そのことの繰り返しで思考力という人間が人間として、存在の意味を獲得することになります。そうだとしたら「民意」を「真摯に受け止める」としながら、それを踏みにじるアベ首相に何より欠けているのは、生きて芽生えることがなかった「思考力」ということになります。
(次週につづく)
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