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小さな手大きな手

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2019年10月03週
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(前週よりのつづき)
「しかし私はなにか『引けている』感じがした。不可解な基準で生きていい人/死ぬべき人を分けるのはなぜか言ってみろ」「『生きている――殺すな』は、強く悲しみながらも弱気になったり、自死を肯定してしまったりする心性から遠く離れて、生きている人たち、その生活を手伝う人たちの文章が集められた本だ。むだに暗くなったりせず怒っている本だ。そんな人たちを知らなかったら読むとよい」(「やまゆり園事件から3年」立岩真也、9月23日、朝日新聞)。「一人のALS患者」が「地域でも、その個性を発揮して、いきいきと活躍」しているとしたら、「友人」ではなく、「強く悲しみながらも弱気になったり、自死を肯定してしまったりする心性から遠く離れて」生きるその人とその生活を手伝う人たちがいたからです。それは所信表明を語る「友人」ではなかったはずです。「強い経済」や「日本経済の次なる成長」を何よりも優先する「友人」の視野にあるのは、その一翼・歯車になる人たちであって、それ以上ではありません。
 「所信表明」が東電福島の事故について語っているのは「福島の農産品輸出」と「風評被害」です。確かに、東電福島の重大事故は起こったし、今も、5万人を超える人たちの避難が続いています。事故の放射性物質の被曝から逃れた人たちで、その人たちが生活していた町や村は、汚染されたままであり、事故の東電福島からは今も放射性物質の放出は続いており、それを止めることはできていません。にもかかわらず、避難の基準になった放射線量の上限1m㏜/年を、20m㏜/年に変え「心配は要らない」との「風評」を国をあげて流し、避難解除し、「帰還困難区域」への帰還が押し進められています。そこが「仕事でも、地域でも、その個性を発揮し、いきいきと活躍できる」場所ではなく、中でも子どもたちにとっては危険な場所であるにもかかわらずです。
 沖縄では、名護市辺野古の新基地建設工事で移植したサンゴの一部死滅が報告されています。「防衛局は、昨年埋め立て区域から移植した絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ9群体のうち、3群体が死滅や消失したと報告した」「サンゴ生物学に詳しい東京経済大学の大久保奈弥准教授は、『消失』とされる群体は生存部が確認できない以上『死滅していると言える』とし、『部分死』としている群体も『ほとんど死んでいる状態』と指摘した。過去の研究で夏の高温時がサンゴの移植に不適切なことがわかっているにも関わらず、移植を提言した環境監視委員会の判断を『年で9群体のうち3群体が死ぬはかなり高い確率。明らかな失敗だ』と批判した」(9月10日、沖縄タイムス)。
 沖縄の人たちが、辺野古新米軍基地に反対する大きな理由の一つが、日本の戦争の惨禍を生きてしまった体験、沖縄島のみならず、世界の戦争の基地になることへの怒り、アジアの島々、国々をつなぐ、万国津梁の海「美ら海」の沖縄の自然を更に破壊することへの怒りです。その沖縄の「美ら海」は、たくさんの日本人が、自分たちの町、村の砂浜、海が失われた代替物としてあこがれ求める海になっています。沖縄の人たちは、島と日本、世界の平和に強い思いを寄せ、島と島の海を誇りにして生きています。
 その島の人たちの平和への願い、美ら海を守る願いが、日米の軍事同盟・地位協定によって壊れてしまうのが、辺野古新米米軍基地建設です。その沖縄の海、美ら海そのものであるオキナワハマサンゴの自然の営みを人間の手で生息する場所から移し、「死滅」させる愚挙が辺野古新米軍基地建設です。
 所信表明はそのことの「必然性」を臆面もなく語ります。「沖縄の基地負担軽減に引き続き取り組みます。普天間飛行場の全面返還に向け、辺野古への移設を進めます」。普天間飛行場は、戦場となった沖縄の人たちが強制移転、捕虜収容から解放されて自分たちの町・村に戻った時に「無料」で土地が奪われた町、村の中心部です。町・村の中心部に戻れなくなった人たちは、危険な飛行場の周囲に住まざるを得ませんでした。町・村の中心にあって、昼夜を問わず時には超低空の飛行訓練が行われる、人間にとっては世界一危険な飛行場です。その危険な飛行場に、更に危険なオスプレイが配備されています。その移転は、危険だから、基地負担の軽減の為とされますが、だったら、オスプレイの配備でさらに危険にするなどということはあり得ないにもかかわらず、強行されました。危険だから返還なのに、更に危険なオスプレイを配備するのは、そもそも沖縄の基地負担軽減は念頭にはないことを意味するし、辺野古新米軍基地建設は、先述の沖縄の美ら海、その最も大切な宝であるオキナワハマサンゴを死滅させたりするのであれば、更に、辺野古新米軍基地が軍港と一体となった基地建設になっているとすれば、「基地負担軽減」ではあり得ず、まったくその逆なのです。
 そして、例えば普天間基地の存在、その移設先とされる辺野古新米軍基地建設には、沖縄の人たちの多数が強い反対の意思を明らかにしてきました。そこで生活する人たち、他 の何よりも尊重されなければならない、沖縄の人たちの「民意」です。
 2019年9月8日、大阪市大正区千島公園グラウンドで開催された「大正エイサー祭り2019」の会場を訪れた、玉城デニー沖縄県知事はその「民意」について、集まっていた人たちに穏やかに、しかし不退転の決意を込め、沖縄の人たちを代表して語り掛けました。

 あの…実は、まぁ、沖縄ではいわゆる普天間移設の問題で、辺野古の海が、多くの県民が反対する中、埋め立てが続けられているんですね。しかし、この問題は沖縄だけの問題ではなくて、日本中の皆さんがしっかりと考えて、では、自分たちに置き換えたら、この問題は何とつながるかということを受け止めていただいて、そして、できることであれば、地域の住民が反対することは進めるべきではないという声も一緒に上げて欲しいということを願い、全国のトークキャラバンで、今回は大阪に来させていただきました。本当にありがとうございます!
  沖縄はですね、例えば、一人親世帯が多かったり、あるいは子どもの貧困の問題だったり、本当に現実的には、みんな苦労している人たちも少なからず、いらっしゃいます。しかし、でもその子どもたちが、本当に豊かな心で成長するためにはみんなで力を合わせて、環境を作り、文化を守り、そして、正しい歴史を子どもたちに渡していかなければいけません。そのことを沖縄県民も、一生懸命頑張っていますし、大正区はとくに4人に一人が、沖縄県民のルーツというか、関係者だということで、大変力強く思っています。ぜひこれからも、地域が変わっても私たちが大切にするもの未来に伝えたいものを一緒に盛り上げて作っていきましょう!よろしくお願いいたします。

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