(前週よりのつづき)
・1月9日、「今年初の試験操業、いわき2漁協」「核燃料取り出し開始」
・1月12日、「第一原発1号機、大型カバー前倒し設置/がれき撤去時の、ダスト飛散防ぐ」
・1月15日、「核燃料取り出し開始、第一原発3号機で7回目」
・1月16日、「川から海のセシウム流出100分の1未満/第一原発や大気と比較」
・1月17日、「東電、第一原発人員増へ、ミス頻発で、社長、不足認める/規制委と意見交換」「凍土遮水壁の冷却液漏れ/新たに3か所確認」
・1月18日、「3町一部避難解除/双葉、大熊の立ち入り規制緩和区域を設定」「復興加速へ決意、3町長先行解除決定受け」
・1月19日、「第一原発2号機、遠隔操作でブラシ、吸引」
・1月21日、「双葉、大熊、富岡の一部避難解除決定/知事、復興前進と期待感」「使用済み燃料搬出開始/第一原発3号機プール」
・1月22日、「IAEA、規制委評価、原発検査、定期的な訓練求める」「タンク沈殿物議論せず/東電、原発処理水小委に報告なく」
・1月24日、「飯舘の小中一貫校『希望の里学園』、4月5日開校、作詞、作曲、まどかさん、こうせつさん、新校歌披露も」
・1月30日、「雨で汚染水位が上昇、第一原発」
・2月1日、「第一原発処理水、海洋放出の利点強調/政府小委提言へ、場所は言及せず」
・11月19日、「福島第一・汚染水のトリチウム、年間処分量の試算初公表/海洋放出など議論深まらず」(朝日新聞)。
・1月31日、「第一原発2号機建屋、最上階の汚染調査、規制委、放出経路の分析へ」「第一原発1号機の内部調査、2020年度以降と正式発表、東電」「ベータ―線測定法開発/IAEA汚染水の監視強化」
・11月30日、「放射線被ばく『健康に影響』46.5%、前回より7ポイント減少/三菱総研都民調査」「復興庁、富岡の住民意向調査/既に帰町、7.5%」「戻りたい、8.1%」
・2月3日、「県民健康調査現状を発信、甲状腺検査の課題解説/国際シンポ、福島で開幕」「使用済みMOX再利用/資源節約効果小さいと指摘」
・2月4日、「『福島ありき』に反発/風評の悪化不可避/トリチウム水の行方」
・2月5日、「『地元の意見聞き結論』経産省、第一原発処理水処分で」
・2月6日、「県当初予算案11重点プロジェクト/汚染状況重点調査地域土壌仮置き場、環境回復994億円」
・2月7日、「処理水放出案『批判なし』菅氏、各国大使館説明で」「IAEAトップ、近く来日、第一原発の汚染水協議へ」「作業員が内部被ばく、第一原発廃炉作業中、健康異常なし」「3号機クレーンに新たな不具合発生」「中間貯蔵施設用地取得、優良企業たたえる/環境省」
2月11日、「福島第一原発処理水で政府小委、海洋放出『確実』と提
言」
2月14日、「妊産婦2020年度終了に合意、放射線の不安低下/県民健康調査検討委」「がん186人、疑い50人、昨年9月末現在、甲状腺検査の結果」
・2月1日、「汚染水処分『海洋放出に利点』、経産省委提言、政府判断へ」(朝日新聞)。
・2月15日、「東電に調査原本要求/敦賀原発書き換えで、規制委」(朝日新聞)。
・2月16日、「原発事故デブリ、炉型で異なる性状/福島第一は不均
質」
・2月18日、「防護装備、一時的に代替品/第一原発コロナ感染拡大で」
・2月19日、「町役場本庁舎や児童館を解体へ/双葉町公共施設の対応示す」
・2月20日、「意見交換の場所設置、地元の声、処分方針に反映/政府」「双葉町とアルムシステム(北海道)ホテル建設で立地協定、今春着工、9月開業目指す」
・2月1日、「住民意向『既に戻っている』浪江6.5%、葛尾28.4%、大熊1.8%」
以上、東電福島の事故対策で、地元の新聞で断続的に取り上げられる「汚染水」の問題は、たまに全国紙でも話題になっているのは、前掲の通りです。2月1日の朝日新聞、「社説」では「トリチウム水、福島の声を聞かねば」となっています。「東京電力、福島第一原発の汚染水を浄化処理した後、放射性物質トリチウムが残留する水をどう処分するか。経済産業省の小委員会が、取りまとめた提言の大筋で了承した」「薄めて海に流す『海洋放出』を事実上、最も重視する内容になっている」。昨年8月頃、このことで、小委員会が中心になり、前述の「海洋放出」に加え「蒸発させ大気中に拡散する」などの案が、実施の方向で検討され、その可否を広く当事者、国民に問う「公聴会」も開催されはじめていました。しかし、公聴会は実質的な議論にならないまま、立ち消えになってしまいました。その理由は、その当時も言われていたし、2月1日の朝日新聞の記事、社説に書かれている「放射性トリチウムが残留する水」は、必ずしもそうではなかったことが明らかになり、その結果、公聴会などの議論の場の意味がなくなってしまったからです。昨年の8月「経済産業省の小委員会」、正式には「経済産業省多核種再処理除去設備等処理水の取扱いに関する委員会、委員長、名古屋芸術大学副学長、山本一良」(と2月25日、東電に問い合わせたところ教えてくれたが、名古屋芸術大学にその名前の副学長はいない)の委員長は「汚染水を浄化処理した後、放射性物質トリチウムが残留する水」には、実は、「多核種再処理除去」後の水には、トリチウム以外の多核種も残留していることが明らかになった時点で「再処理以外にない」と、ほぼ叫んでいることが新聞の記事になっていました。委員長は、汚染水に含まれているのは「トリチウムのみ」とほぼ確信していて、その処理方法を議論していましたから、言わば「寝耳に水」だったと考えられます。昨年の8月にも、この点について、東電に確認しましたが「大きく、公然ではなかったが、トリチウム以外も含まれていることを発表していた」と回答していました。そして半年余り経って、溜まって増え続ける汚染水のことで、小委員長は改めて、海洋放出の方針を示しています。「東京電力福島第一原発の敷地内にたまる処理済み汚染水の処理方法について、経済産業省の小委員会は31日、前例のある大気放出と海洋放出の2案に絞り込んだうえで、技術的に実施しやすい海洋放出を有力視する内容の提言をまとめた」。これらの経緯を2月25日に東電に直接確かめてみましたが、その前にこれら新聞記事のいくつか気になることについて言及してみます。
1、「汚染水を浄化処理した」
今、私たちの社会で、いわゆる飲料水を使う、飲むなどの場合ほぼ「浄化処理」がなされています。浄化処理をされないままの水を飲む、飲料として使うことはあり得ません。「浄化」という表現はその為に使います。ですから、「原発の汚染水を浄化処理した」と言うなら、そのまま飲料水として使えばいいのです。なのに、この場合の「浄化処理」した水は、飲料水には適さないようで、もしそうだったら「浄化」処理などと言うべきではありません。まぎらわしすぎます。
(次週につづく)
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