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小さな手大きな手

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2006年03月02週
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 3月15日(水)は、西宮公同幼稚園の卒園式です。子どもたちの数が少なくなり、子どもたちは一人で2~3人分手をかけて育てられるようになりました。なったのだと思いますが、子どもたちをめぐる事件も後を絶ちません。少年による事件が増えかつ凶悪になったかのように報道されます。が、そうではなく少年による事件はむしろ少なくなっていることが明らかにされたりしています。大きな事件として扱われる、子どもたちをめぐる事件は、たとえば“人さらい”のようなものとして、かつてもあったし、子どもたちの受難・弱者の受難はいつの時代にもありあり続けました。
 そうした事件、受難はそれとして、たぶん今の時代は子どもたちが育って行くにあたって、この社会の持っている懐(ふところ)の深さは、ずいぶん違うものになっているように思えます。子どもたちの数が少なくなったことで、子どもを育てる側も、子どもとして育つのも難しくなっているように思えます。3月6日、沖縄からの帰りに飛行機は雨の神戸空港に下りることになりました。着陸する20分くらい前から飛行機が少しずつゆれ始めました。と時を同じくして、同じ列の少し離れた席の赤ちゃんが泣き始め、泣き止みませんでした。隣りの席の人たちが心配そうにし、更に客室乗務員(と呼ぶのだそうです)が、交替でお母さんと赤ちゃんに近寄って声をかけているようでした。でも、赤ちゃんは泣き止みませんでした。泣き止まない赤ちゃんに、お母さんは隣りの客に頭を下げたり、あせっている様子がありありと伝わってきました。
 で、客室乗務員に来てもらって、“あなたたちが、むやみに近寄って声をかけたりすると、お母さんがますますあせるから、見て見ぬふりをしなさい”“赤ちゃんはいつまでも泣き続けません”“赤ちゃんというものは必ず泣き止むのです”と、声をかけることになりました。なのに、聞いてはもらえなくて、お母さんは更にあせるし、赤ちゃんは泣き続けました。客室乗務員が本当の意味でのプロの仕事をするとすれば、「・・・雨の為、気流の乱れで飛行機がゆれ、皆様には大変ご迷惑をおかけしています。飛行機はもうしばらくで神戸空港に着陸します。もうしばらくのご協力をお願いいたします・・・」とでもさり気なく放送したりすることで、赤ちゃんが泣いているのは飛行機のゆれのせいで、もうしばらくすれば泣き止むぐらいのことを、解る人は解るのです。そんなさり気なさで、子育てをするお母さんを見守ったり、応援したりすることはあってもいいのです。子どもを育てているのは、当のお母さんやお父さんだけではなくて、この社会がこの社会の未来を育んでいるのであることが、今この社会では少なからず共有されにくくなっています。それは、子どもたちを育てる経験の少なさによって起こっているようにも思えます。
 子どもたちが育っていくのも、子どもたちを育てるのも、深い経験に裏打ちされた知恵であり子どもを見守る懐の深さです。子育ては原理原則を語るものでもないし、学習で身に付けたりするものでもありません。一人を育てる苦労や失敗があって、次の子どもを育てる時の少しの余裕になります。そんな経験が共有される世界で子どもたちは育てられ、いつか自分の世界で生きて行くことになります。
 幼稚園のようなものに存在理由があるとしたら、そんなことをこの街で少しばかり実現し、子どもを育てるお母さんやお父さん、そして子どもたちを応援することです。
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