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2002年01月05週
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(前週よりのつづき)
・10月8日 「中間貯蔵へ除染土壌輸送量、累計900万立方メートル超環境省」㊟1
・11月10日 「中間貯蔵輸送に新道路、大熊、今日から運用開始」
・11月15日 「保管地に最大6万平方メートル、国は早く処分地決定すべき(デブリ取り出し)」
・12月10日 「双葉町長、中間貯蔵での保管反対」㊟2
・12月12日 「帰還困難区域外の除染土壌、中間貯蔵用地確保めど、環境省方針」㊟3
・12月18日 「中間貯蔵への除染土壌輸送量、累計1000立方メートル超に」㊟4

 東電福島の事故で、環境中に放出された放射性物質は、福島を中心に広く(広く世界に)降り注ぐことになりました。人が生活する町や村に降り注いだ放射性物質は測定された放射線量によって、当面は人が住めない場所として区分され、避難が指示されました。

帰還準備区域 1~20m㏜/年
居住制限区域 20~50m㏜/年
帰還困難区域 50m㏜/年以上

 帰還困難区域を除いた、2つの区域を含む、たとえば福島市内のほぼ全域など広い地域の住宅や農地などで、降り注いだ放射性物質の除染が実施されました。ただ、こうした地域よりはるかに広い森林などは、たとえば住宅地の場合は敷地から20メートルより外は除外されました。除染の方法は、住宅の場合、屋根、壁などは手作業での拭き取り、庭などは同じ手作業で拭き取りますが、庭の植木などは伐採する以外手の施しようがありませんでした。こうして除染作業で発生した、汚染土壌などが、30年を期限に、中間貯蔵施設に運び込まれることになりました。その運び込み先として選ばれたのが、事故の東電福島に隣接する大熊・双葉の両町です。両町とも、町の大半が、帰還困難区域、居住制限区域となり全町民が避難して10年を迎えようとしています。
 放射性物質で汚染された除染土壌が運び込まれるにあたって、そこが30年を期限とする「中間」貯蔵施設であるのは、それを最終的に(要するに半永久的に)受け入れる場所は見つからなかった為で、その事を、即ち「仮」了承させる「約束」としての「中間貯蔵施設」です。㊟5「中間」という言葉を使うのであれば、「最終」があってはじめて言い得るのはもちろんです。中間と言ったにもかかわらず、当初言われていた汚染土壌1800万立方メートルの半量を超える1000万立方メートルが運び込まれたにもかかわらず、それらの行先である、最終処分場は決まらないままです。と言うか、当初は「賃貸」にしていた用地が、途中から買収になりました。もし30年が期限なら、賃貸でよさそうなものを、さっさと買収へと変更になりました。更に、「30年」なのですが、それがいつからいつまでの30年なのか明示されていません。別に双葉町長は「中間貯蔵で保管反対」(12月10日)としています。たまり続ける放射性汚染水トリチウムの保管タンクの設置場所が、東電敷地内では得られなくて、検討されていることへの事前の反対の意思表示と考えられます。「伊沢史朗町長は…中間貯蔵施設受け入れの、苦渋の決断をした町民の思いに触れ『別な目的で使用することは、町民を裏切ることになる。町として受け入れることはできない』と述べた」。「裏切る」のは、もちろんよくないことですが、避難解除、町民の安全な町への帰還を、何よりの課題とする双葉町に、降り注いだ放射性物質が危険だからということで除染した、その危険な放射性物質を大量に運び込む中間貯蔵施設を、最終の見通しが全く無いまま受け入れるのは、他の誰でもない未来にそこに戻って生活することが期待される子どもたちの未来を裏切ることであるように思えます。
(次週へつづく)
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