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2021年04月01週
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(前週のつづき)
 20年ほど前、パレスチナの人たちを訪ねる旅に参加させてもらったことがあります。中部空港から出発しテルアビブ空港(イスラエル)に向かう直行便は、荷物の検査などが厳しく、隣の座席に座った人も、何やら不気味で、髪の毛の短い、「兵士風」でした。
 聖地旅行ではないこの旅は、イスラエルでの移動の基本は、現地のパレスチナ人の案内かテルアビブのターミナルを基点にした路線バスでした。その路線バスでびっくりしたのは、隣に座るのが、戦闘服に自動小銃をかかえた兵士だったりすることでした。パレスチナ人が、イスラエルの圧政、繰り返される暴力に、老若男女、子どもたちも立ち上がって、「石を投げる」などの抗議をするインティファーダーを、圧倒的な暴力で押さえ込むさ中、そんな国だったとは言え、乗り合わせた路線バスの隣の席に自動小銃の銃口をこっちに向ける兵士が座ったりするのは、素朴に「驚き」や「怖い」場所でした。日常的に銃口が向けられているパレスチナの人たちの「恐怖」や「憤り」が止むに止まれぬ「石」を投げるインティファーダーになったとしても、あり得るように思えました。思えたりもしたのですが、パレスチナ人たちは「石」を投げた数十倍、数百倍の血と命の代償を払わされることになります。
 そんな自動小銃や機銃を持った兵士や攻撃用のヘリコプターが、村の中の生活する人の道路を移動したり、飛行しているのが沖縄です。
 「米海兵隊の第一海兵航空団が7日、米軍ヘリが西原町上空を飛行中とみられる写真を公式ツイートで投稿し、『学校上空を銃を出して飛んでいるのか』などとSNS上で批判する声が上がっている」「投稿では写真を『最近の沖縄で飛行した景色』などと紹介。『銃身』なども意味する『barrel』や、銃のようなものが確認できる。西原町翁長にある坂田小学校、西原高校と思われるグランドや体育館やその周辺を手前に、那覇方面が写っている」(3月10日、沖縄タイムス)。「米海兵隊の第一海兵航空団が21日、キャンプハンセン上空を飛ぶヘリから地上に向けて銃を向けて射撃する訓練の様子を公式ツイートに投稿した。動画は42秒で、BGMにロック音楽が流れる。『ハンセンで、狙撃兵によるUHIYヘリからの狙撃訓練。航空機から標的を狙う技術が向上した』と説明している」(3月23日、沖縄タイムス)。「東村高江の米軍北部訓練場メインゲート付近の県道で7日午後0時半ごろ、銃を携行した米兵約20人が徒歩で移動しているのを、チョウ類研究者の宮城秋乃さんが確認した。宮城さんによると、米兵を乗せた車両が県道70号に停車。降りてきた米兵たちが銃を持って、訓練場内に入ったという」(3月14日、沖縄タイムス)。
 伊丹市の171号線に隣接しているのが第3師団ですから、自衛隊の車両や自衛隊員を見かけることはありますが、機銃を操作するヘリを低空で目撃したり、自動小銃を抱えた完全装備の隊員が街の中を移動しているのを見かけたり、出会ったりということはないはずです。たぶん、それらしい訓練をすることはあるのでしょうが、多くは訓練場内部で行われているのだと思われます。
 しかし、沖縄では、普通に生活する人たちのその生活の只中に、自動小銃や機銃が、日常的に当たり前のように存在してしまいます。島全体が、いつでもどこでも完全武装の実戦基地になってしまっているのが、沖縄なのです。ですから、ヘリコプターの機銃の操作訓練をしている様子が、たまたまツイートで露出しているのではなく、沖縄島で生きる人たちの、生活世界に深く広く侵入し、その全体を巻き込むようにして起こっていることが、たまたまの、自動小銃や機銃なのです。
 で、「ハンセンで、狙撃兵によるUHIYヘリからの狙撃訓練。航空機から標的を狙う技術が向上した」とされる「技術」の「向上」は、どんな意味でも、それに類する訓練中に引き金を引いてしまった銃弾が、沖縄で生きる人たちの生活の中に打ち込まれるということも起こり得ます。沖縄島の人たちの生活の真っ只中で繰り広げられる訓練は、元々が島の人たちを守る為でも、それら一切を考慮するのでもりません。ありませんが、実戦の戦闘訓練が容赦なく生活を巻き込んでしまっているのが、米軍基地の沖縄です。そんなことは、西宮あたりではあり得ません。しかしそこに米軍基地が存在する限り、沖縄島では起こってしまいます。そうして起こってしまいそんなことが可能になるのは、ほぼすべてにおいて、米国・米軍の論理で動いてしまうことを、沖縄島の人たちの頭越しに日本・ヤマトがそれを了解してしまっているからです。もちろん、たとえば西宮には、そんな米軍基地は存在していません。しかし、沖縄島の到るところに、時には街のど真ん中に存在してしまっているのが、たとえば宜野湾市の普天間基地であり、その「世界一の危険」を理由に移設という名の基地建設が強行されている、名護市辺野古新米軍基地建設です。
(次週につづく)
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