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2021年05月03週
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 この「福島第一第一原発事故の『真実』」(以下「事故の『真実』」は、NHKのテレビでのいくつかの報道とも重なり、それの元になる取材は「NHK、メルトダウン取材班」となっており、政府、国会、東電、民間の4つの「事故報告書」とは別の、もう一つの「事故報告書」になっています。その報告、取材を「メルトダウン」としているところは、今までの4つの報告書とは異なっています。
 ただ、この事故は、福島第一原発の事故ではなく、何より誰より事故の責任を負うべき、「東電」の原発で起こった「東電が引き起こした重大事故」ですから、福島より何より報告書の名称は「東電」であるべきです。そうした問題は、この取材、報道で多く見られるものの、公共放送・NHKの、公共放送であるが故の制約のもとで、事故の核心部分のほぼ全体にわたって、今まで確認しにくかった部分の多くを、一般に解りやすい報道になっているのは明らかなように思えます。何よりも、はっきりと「メルトダウン」を前提に、この事故を報道しようとし、かつ、その「真実」を明らかにしようとしているという意味では評価できます。
 しかし、メルトダウンに到る重大事故は、「東電」福島で起こりました。こうして「東電」であることが、結果的に原子力発電所の重大事故になってしまったこと、少なくともこの事故の要因はそこにあります。たとえば、絶対的な危機に直面していた2号機で、最後の手段の一つであるあのベントが実施できたのかどうかは、事故のその時から今に到るまで、多くは「不明」でした。いずれにせよ、原子力発電所で、容器内の強度に放射性物質によって汚染された空気を環境中に放出することは、そのまま高濃度の放射性物質を、環境中に放出することになります。本来、絶対にありえないし「安全」であることを確約して建設、稼働を認めてきた、福島県、大熊・双葉町などの人々にとって許されないことです。
 原子力発電所が、大熊町、双葉町を直接立地とする福島で容認されてきたのは、それらの市町村が放射性物質で汚染されることは絶対にありえない、「安全」であることが確約されて初めて、建設、稼働が了解されてきました。しかし、原子力発電所が稼働中に、圧力容器ないし格納容器が、重大な事故、メルトダウンから、容器そのものが破壊されることを防ぐ手段の一つとして、圧力を下げるベントが設計・設備されていました。それは、重大事故が更に破滅的な事故になることを防ぐ為に、言わば土屋繁男の言うところの「人間が制御できない魔物」の必要欠くべからざる設備でした。それがベントでした。「事故の『真実』」によれば、結果的には水素爆発した1号機で、「破滅的な事故」である、格納容器の破壊に到らなかったのは、ベントが実施されたからです。しかし、それが実施されたにもかかわらず、その事実の確認が当時必ずしも確認、共有されていなかったことが明らかになっています。ベントの実施で必ず起こる現象が作動試験が行われていなかった為、その時の現場では、誰も知らなかったのです。それは、大量の蒸気の噴出と轟音です。作動試験を実施した場合の轟音が周辺の住民を驚かせることを恐れ、行わないことになっていたのです。もちろん、ベントとは何かの説明、報告も必要になります。それはそのまま、原子力発電所は、重大事故が起こり得ること、その場合大量の放射性物質を環境中に放出すること、即ちベントの実施があり得ることを意味します。原子力発電所は、その建設を受け入れた周辺の人たちの生命、安全をおびやかすとしたら、誰も認めも受け入れもできなくなります。
 重大事故は起こり得ること、その時の原子力発電所は「人が制御できない魔物」になってしまうことを、東電は自らに対しても、周囲の人たちに対しても起こらないことにしてしまった結果、起こってしまったのが、「東電」福島の事故です。
 「人が制御できない魔物」は、事故から10年の今も、魔物ぶりを発揮し続けています。人間の手によって環境中に放出された放射性物質は、止まるところを知らず広く深く長く環境を汚染し、しかも人間に制御できない魔物です。事故から10年の、事故現場では、今も緊急の事故対策に追われ、原子力発電所が立地する大熊・双葉町は、全町民がそこから追い出されたままです。以下、地元の新聞が断片的に伝える、緊急の事故対策と、住んでいた町を追われた人たちの、事故から10年の現状です。

・3月9日 「大熊、帰還困難区域の一部/立ち入り規制緩和」「地震計の故障放置は『問題』第一原発3号機」「福島第一原発事故、米、メルトスルーと分析、元委員長『日本にも伝達』」
・3月11日 「ストロンチウム流入か、第一原発排水路の警報」「滞留水上昇傾向を確認、第一原発3号機」
・3月12日 「安全は想定外減らす闘い:原子力規制委員長が訓示」
・3月13日 「冷却液供給できず、第一原発、凍土遮水壁の一部」
・3月14日 「東電に批判の声、震度6弱で不手際続発、第一原発、故障地震計放置など」
・3月16日 「双葉駅前に商業施設、町、住民帰還促進へ整備、来春完成目標」
・3月19日 「第一原発、今月下旬から注水量増、1号機原子炉格納容器水位低下、毎時千トン、10日間」
・3月20日 「東電問題『理解しがたい』電事連会長が会見で苦言」「地震計が復旧、東電発表」
(次週につづく)
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