感染症の拡大について
2021年8月15日
西宮公同教会、西宮公同幼稚園
感染症の拡大にともない、「第5波急拡大!感染対策徹底要請! ―まん延防止等重点措置区域の拡大― 1、リスクの高い行動の回避 2、ワクチンの積極的な接種 3、事業者の皆様へ」などの要請が兵庫県から届けられています(2021年8月12日)。
西宮公同教会、西宮公同幼稚園としては、こうした感染症拡大の如何にかかわらず、対応は今までと変わらないと考えています。
教会、幼稚園などの活動は、以上の3点を踏まえ、参加、不参加については「自主判断」としていただくことになります。
なお、こうして感染症が急拡大する要因としては、感染症ウイルスの「進化」はもちろんですが、今まで普通とされてきた生活様式(集まって会食するなど)を変えることの難しさなどがあると考えられます。
その結果、大阪府などは感染した人たちの「療養基準」を大幅に変更しています。「①入院は、中等症以上か軽症で、重症化リスクのある患者に絞る。②容体が安定すれば宿泊療養に切り替える。③宿泊療養は、原則40歳以上。④40歳未満は、原則自宅療養。重体化リスクなどがあれば宿泊療養に」(2021年8月14日、毎日新聞)。
感染症及び、感染症に対し、大阪府などが従来取ってきた対応が、不十分ではあったとしても、社会がその「患者」の健康・生命を何よりも尊重することを優先して取られてきました。それは、「より良い選択」であり、医療の基本でもあったはずです。しかも、この度の「療養基準」は、そうした対応からの大きな後退ないしは、逸脱を意味します。新たな「療養基準」が、感染者が急拡大による医療体制の「逼迫」による、やむを得ない対応であるとしても、発表のされ方には、何かが根本的に欠落しているように思えます。
「生命の尊厳」への言及です。
「今、今までも、私たちが社会の一員として生きる時、何よりも尊重し、求められてきたのは、誰であれどんな生命であれ、その『生命の尊厳』であったのはもちろんです。拡大する感染症の状況であっても、それは何一つ変わりません。今までも、今こそ、社会が私たちが、身近にある生命に目を注ぎ、心を開き、この社会を生きる人間として、今を生きる一歩をともに歩むことを願ってやみません。この感染症の状況を一緒に生きてまいりましょう」。
もし、そうだとすれば、実施ないしは続けられている大きな催し(オリンピックなど)は、当面は中止ないし見合わせる以外なかったし、これからもあり得ないように思えます。
「人間に対する尊重だ! 人間に対する尊重が問題なのだ!……もし人びとの心のなかに人間に対する尊重の念が築きあげられたならば、当然、人びとは、この尊重の念を確立するような、社会的、政治的、経済的体制を築きあげるようになるだろう。文明とは、なによりもまず、実質のうちに築きあげられるものだ。
(サン・テグジュペリ「ある人質への手紙」より)
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