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2021年11月01週
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(前週よりのつづき)
 ALPSの稼働で、除去した多核種の移動、保管のことは知らされていましたが、「高線量汚泥」を「特殊な容器に入れて」や「保管状況」などのこと、その容器が「約3840基」ということは初めて聞きます。もちろん、この報道では「特殊な容器」がどんな容器で、その移動の方法、そうした場合の放射線量「作業員の被ばく対策」、更にどこでどんな保管をしているのかなども、すべて不明です。今まで明らかにされていたのは、除去した多核種の交換式の容器やその取扱いについて、ALPSが稼働するまで、かなりの時間を要していたこと、その理由などが報道されていたように思います。「高線量汚泥」のことは見ても聞いてもいませんでした。9月19日の報道によれば、ALPSの稼働・処理で発生する汚泥はかなりの量でありかつ取り扱いが簡単とは言えない、むしろ放射線量の高い放射性物質であることが解ります。劣化したタンクから新しいタンクへの移し替え、それも低線量であるにもかかわらず、「移し替えに着手する予定」が、「作業員の被ばく対策を見直す必要があり」「移し替え開始が1カ月以上遅れ」たりしています。さらに、「作業現場近くで放射線量の高まりを示す警報」が鳴って、フィルターの「破損」であることが解り、「代替フィルターを付け」たが、「低線量汚泥で作業した際の放射性物質の飛散状況の見直し」が必要でとなり、なんだか「劣化容器の移し替え」は一向に進んでいなくて、そもそも、高線量汚泥は「劣化する」容器で増え続けているのです。事故が、要するに環境中への放出を止められなくなった、東電福島の放射性物質は「アンダー・コントロール」と世界に向って宣言した、東電福島の事故は、たとえばALPSで多核種を除去したはずなのに、別にその処理で発生する高線量汚泥は増え続けていて、容器が「劣化」しているにもかかわらず「移し替え」に手こずっています。
 「手こずっている」と言うか、「アンダー・コントロール」ではないのは、他にもあります。

・10月23日 「大熊町/産業・商業施設を整備、大野駅西地区2024年6月開所目指す」「年内に準備宿泊へ、国と調整、近く住民に説明」
・10月24日 「県振興局、相双地区の魅力発信、親子向けモニターツアー」

 「アンダー・コントロール」が世界に向って宣言された東電福島では、一般には聞きなれない言葉が、あれこれ使われています。その一つが「準備宿泊」です。こんな具合です。「大熊町は、来年度の避難指示解除を目指している特定復興再生拠点区域(復興拠点)で、年内に準備宿泊を始める方向で国と調整している。近く、復興拠点の住民を対象に準備宿泊の説明会を開く」「準備宿泊は住民帰還を円滑に行うため、避難指示が出された区域で禁止されている宿泊を特例的に認める制度。空間線量がおおむね毎時3.8マイクロシーベルトを下回っていることなどが要件となる」「町は当初10月に準備宿泊を予定していたが、復興拠点内の一部で放射線量が基準値を超える地点があり、開始が遅れている」。
 で、なんで「宿泊」に「準備なのか」も、それだけではかなり解りにくいので、その前提になっている「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」の理解が必要になります。
 東電福島の事故の後、原発が立地する大熊、双葉などの町や、隣接するいくつもの町、離れてはいても大量の放射性物質が降り注いだ飯舘村などが、放射線量によって住民が避難し、戻る場合には残っている放射線量によって区域が指定されます。

1. 避難解除準備区域 1~20m㏜/年
2. 4居住制限区域 20~50m㏜/年
3. 帰還困難区域 50m㏜/年以上

 「特定復興再生拠点区域」は、たとえば、その2ないし3の区域の中の一部を特定し、そこだけを重点的に除染することで条件付きで避難を解除し、その町の復興の拠点にするというのです。大熊町の特定復興再生拠点区域は常磐線大野駅を中心に約6ヘクタールが指定されています。隣接する地域は、中間貯蔵施設の用地や復興拠点外の居住制限・帰還困難区域だったりします。ですから、そこは拠点と言えなくはありませんが、周辺は放射線量が高く、「空間線量がおおむね毎時3.8マイクロシーベルト」の要件を超えてしまったりします。年間に29784マイクロシーベルト(29.7ミリシーベルト)ですから、居住制限区域の20ミリシーベルトを超えてしまいます。拠点区域を集中、徹底的に除染したにもかかわらず、10月13日の浪江町の場合「拠点内除染94%完了、浪江町政懇、説明会始まる」とあったりするように、拠点外の除染が実施されないとすれば、言われている「特定復興再生拠点区域」は、居住・帰還が困難な高い放射性物質の広い海の狐島と言うことになります。普通に狐島ならまだしも、島全体が海の波にさらされることはあり得ませんが、放射性物質の海の孤島は、その放射性物質を遮るものは何一つありませんから、いつだって被ばくの危険に曝されることから、逃れようがないのです。その放射線量が30m㏜/年だったりしたら、足を踏み入ることはもちろん、近寄るのも危険な場所です。
(次週につづく)

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