(前週よりつづき)
・12月1日 「オスプレイ那覇軍港離陸、普天間へ3機、知事と市長抗議」「軍港離着陸常用を懸念、中止要請振り切って飛行」「宜野湾議会が抗議決議へ、全会一致オスプレイ水筒落下に」「職員酒気運転で沖縄市長が謝罪、議会議案説明会」(12月1日朝日新聞「米軍機、燃料タンク投棄、青森、深浦、役場近くの道路に/住宅近くに衝撃音、米軍タンク投棄、住民『危ない』)。
・12月2日 「燃料タンク住宅20メートル先に、政府飛行中止を要請、青森米軍機投棄」「N2護岸に土砂陸揚げ、新基地建設、不承認対象外で続行、県は中止要求へ」「『住民に謝罪したい』水筒落下、米軍宜野湾議会に」「SACO最終報告から25年、基地負担減乏しい実感、米軍運用優先見直し必要」「返還実現まだ6施設、残り5施設県内移設条件」「騒音軽減は形骸化、米軍訓練続行」「県、50%以下を求める、在日米軍施設面積、県外移設前提に」
・12月3日 「米軍PFAS1600倍、うるまの施設6月漏出、国指針大幅超、調査後公表せず」「米軍落下対応に差、青森に燃料タンク」「飛行停止国も2重基準『青森に燃料タンク、県庁や町役場で謝罪』『沖縄に金属水筒、基地内で抗議受ける』」
・12月4日 「高江でつり下げ訓練、米軍ヘリ、民間地も飛行か」
青森県内で起きた、米軍機による「燃料タンク2個の投棄」については、県内米軍三沢基地の「副司令官」が県庁や町役場を訪ねて「謝罪」しています。一方、金属製水筒を落下された沖縄県宜野湾市では、沖縄県の米軍は「呼び出し」に応じなかった為、基地に出向いて「抗議」を出しています。日本政府は、そうした事故に関連して、青森県では飛行停止を「求め」ていますが、沖縄県では「求めず」となっています。前掲のように、青森での投棄事故について、全国紙(朝日新聞)は取り上げていますが、前掲のように沖縄での事故について、全国紙は一切取り上げず、取り上げているのは沖縄の地元の新聞だけです。
同じ、安保条約の同じ地位協定の枠の中にあっても、ほとんどの青森の人たち、ほとんどの日本本土の人たちにとって、米軍基地は遠い存在です。沖縄では、中でも沖縄島の人たちにとって、米軍基地、そしてその結果起こる事故・事件は普通に生きる生活に一切の予告無しに侵入し、その生活を脅かし続けます。更に、米軍基地が存在することで起こる、大きな事故・事件は生存、時には生命を脅かし、奪うことさえ起こっています。それは大きな事故・事件が沖縄で普通に生活する人たちにとって、いつ、どこででも、起こり得ることも意味しています。基地が街のど真ん中にあったりしないのはもちろん、普通に生活していても、ほぼ全く米軍基地を意識しなくても済む、日本本土の人間にとって、そうして沖縄では起こる事故・事件は遠い出来事です。そして、たまたま青森で起きた米軍機による燃料タンクの投棄は「全国紙」が取り上げますが、沖縄での事故・事件は、より更に大事故・大事件でもない限り一切取り上げられることはありません。
一方、米軍施設・基地の大半は沖縄県内にあって、その「返還」が協議・合意された「日米特別委員会(SACO)」の最終報告にもかかわらず、その合意の実現も、11施設中6施設です。中でも、宜野湾市の普天間飛行場は、沖縄の人たちの強い反対の意思表示にもかかわらず、沖縄県内、辺野古での新米軍基地建設工事が強行されています。沖縄の人たちの魂の海、美しい海(ちゅらうみ)の、生きものたちの生きる場所を破壊する、海を埋め立てて強行されている建設工事です。
こうして、幾重にも沖縄の人たちの魂を踏みにじっても恥じないのが日本本土であり、そこで生きる人たちです。いったい、どんな心で生きる人たちなのか。
(次週につづく)
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