(前週のつづき)
1月5日「国連報告者訪日を、80団体、政府に再要請、原発事故避難者調査」「双葉町準備宿泊受付開始」
1月6日「政府の処理水海洋放出方針、東電小早川社長に聞く、信頼回復し取り組む、国内外へ発信再考」「東電社長と知事会談、処理水放出の風評被害抑止、『当事者として行動』」「飯舘村長『復興止めないで』、葛尾村長『情報公開徹底を』」
1月7日「東電第一原発1号機、12日に内部調査開始、デブリの状況把握」「中身不明のコンテナ4011基の点検、3月末までに完了」
1月8日「富岡の復興拠点立ち入り、26日午前9時に帰省緩和、正式発表」
福島第一原発○日の状況
1月5日「原子炉建屋周辺のサブドレインと呼ばれる井戸からくみ上げ、浄化した地水518トンを海洋に放出した」
以下、1月5日499トン、1月6日475トン、及び「地下水が原子炉建屋に流れ込む前にくみ上げ、汚染水を減らす地下水バイパスで2044トンを海洋に放出した」、1月7日469トン。
地元の新聞から、東電の事故についての記事を拾っていくと、現在何より集約されて問題だとされているのは、汚染水の海洋放出と、その事で起こると想定されている「風評」です。汚染水を薄めて海に流してしまうという「事実」が、単なる「風評」だとしてしまう強引さが、結果的には東電の重大事故になってしまったのだということは、ここでは何一つ顧みられることはありません。
東電福島の事故対策は、増え続ける汚染水の処理に問題がしぼられて、東電ではなく、政府・国がその処理を「海洋放出」と決めてしまいました。今、その具体的な放出方法としての「海底トンネル」の新設に向けた準備が進められています。「東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水を海洋放出する政府方針を巡り、東電は27日、放出用の海底トンネル新設に向けた海底調査を開始した」「東電によると、海底に支障となる物がないか確認する磁気調査を27日午前6時から始めた。海底トンネルの施設を計画している沖合約1キロまでの海底で、磁気調査センサーを取り付けた台船により不発弾などの危険物を含めた海底の支障物の確認を行った。沖合1キロでは潜水士が海中で目視によって状況を確認。約10時間実施した調査の結果、支障物は確認されなかった。28日も磁気探査を継続する予定。12月1日からは台船を使った海上ボーリング調査を始める。海底トンネルは直径2.5メートル程度で、12月上旬からはトンネル掘削の入り口部分に当たる5,6号機取水口付近で掘削工事を行う」(2021年11月28日、福島民報)。で、海底トンネルの掘削調査は、12月27日に完了したとされています。「東京電力は27日、福島第一原発の処理水を海洋放出するための海底トンネル新設に向けて、海底を掘削するボーリング調査が完了したと発表した。『岩盤に必要な強度があると確認した』としている。今後、来年2月ごろまでかけてくりぬいた岩盤を分析し、トンネルの詳細な設計や工法に反映させる。調査は台船を使い、沖合400メートル、700メートル、1キロの3地点で今月14~24日と実施。海底を最大22メートル掘削した」(2021年12月28日、福島民報)。
「岩盤」の分析は差し置いて、早々と12月20日には、福島県と大熊、双葉町に処理水を海洋放出する「海底トンネルなどを建設する実施計画の事前了解願」を提出しています。
(次週につづく)
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